


5年に一度、国勢調査が実施されます。
大々的にテレビCMも流れているので、そんな調査が行われているということはなんとなく知っている方が多いと思います。
ところでこの調査って一体何のために実施されているのかご存じですか?
この調査、日本に住む人全員に関係のある調査ですよ!
回答はいつも人任せの方や、よく知らないけど回答してるよという方、はたまた実は今まで一度も回答したことありません・・・という方必読!
今さら聞けない国勢調査の概要や疑問点、義務や罰則について、ここにまとめます。
目次
国勢調査は、日本では大正9年(1920年)から行われ、5年に一度のペースで実施されています。
調査の概要についてサラリと見ていきましょう。
調査対象年の10月1日現在、日本国内に住んでいるすべての人(外国人を含む)と世帯
10月1日現在
スマホ・パソコンからのインターネット回答は 紙よりも早くから可能ですが、回答後、10月1日までに世帯員の増減(出生や死亡、転居)等、回答内容に変更があった場合は、再度ログインして修正しなければなりません。
10月中旬を過ぎても回答が確認できない場合は、調査員が回答のお願いに来ます。
回答は義務というわりには回答率が低いのが現状のようです。
なぜ集計項目ではない「氏名」や「勤務先(会社名)」が必要なんだろうと思って調べてみたら、氏名は「調査漏れや重複調査を防ぐため」、会社名は「産業や職業の分類を正確に行うための手がかりとして必要」とのこと。
うーん、正直、集計の対象ではない個人情報までもを回答させようとするから回答率がどんどん下がるのではないかと思ってしまいます。(※筆者の個人的な意見です)
国勢調査は、実施年の9月中旬~下旬頃に、調査員が各世帯を直接訪問して調査書類を配布します。
自宅に「ピンポン」と調査員が来るということです。その際、調査員は調査員証と国勢調査の手提げ袋を身に着けています。偽物や、国勢調査を装った詐欺などに注意しましょう。
国勢調査の調査員は、戸別訪問で原則対面で調査票を渡すのが基本となっています。
調査員は非常勤の国家公務員として雇われていて、報酬もあります。
実務は各自治体が担当しています。
国勢調査の調査員が訪問した際、世帯主の氏名や世帯の人数を聞かれます。理由は調査票の必要枚数の確認のためです。
それ以外の個人情報を聞かれた場合は詐欺を疑い、安易に答えず市町村や警察等に相談しましょう。
国勢調査員が、金銭を要求したり、銀行口座やクレジットカードの情報を聞いたり、年収や預貯金額などの資産状況を確認することは絶対にありません。
我が家にも国勢調査の調査員が来て、住んでいる人数と性別を聞かれました。国勢調査の調査員が来るということはわかっていても、突然来た人に家族の状況を教えるのは気が引けました。
防犯意識が高まっている中、この調査のやり方が時代に合っているのかは少し疑問に思いました。
国勢調査は、回答する義務があります。
国勢調査は「統計法」という法律に基づいて実施されていて、調査対象者に回答する義務(報告義務)を課して行っています(統計法第13条)。
報告を拒んだり虚偽の報告をしたりした場合の罰則も規定されています(統計法第61条第1号)。
(報告義務)
第十三条 行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。
2 前項の規定により報告を求められた個人又は法人その他の団体は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。
3 第一項の規定により報告を求められた個人が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。
国勢調査に答えなかった場合は罰則(罰金)の規定もあります。
統計法の第61条により、報告を拒んだり、虚偽の報告をした者は 50万円以下の罰金に処すると定められています。
第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした個人又は法人その他の団体(法人その他の団体にあっては、その役職員又は構成員として当該行為をした者)
二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十六条第一項の規定により匿名データの提供を受けた者又は当該匿名データの取扱いに関する業務の委託を受けた者その他の当該委託に係る業務に従事する者若しくは従事していた者で、当該匿名データを自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した者
統計法では、調査対象者に対する報告義務だけではなく、調査に従事する者に対しても、調査で知り得た秘密を保護する義務や調査票の取扱いについて厳格な規定が定められていて、違反した者に対する罰則も設けられています。
ちなみに、気になって調べてみたのですが、国勢調査に回答しなかったからという理由で罰金を取られた人がいるという事例を見つけることはできませんでした。
虚偽の回答をして罰則を受けたという事例も同じく見つけられず。
筆者が見つけられなかっただけ、という可能性は大いにありますが情報として記しておきます。
回答期限までに回答が確認できない場合、「調査員が回答のお願いに伺います。」とされているので、催促訪問があるということですね。
国勢調査では、住民票の届出に関係なく調査されます。
住民票がある場所に関係なく、10月1日現在普段住んでいる場所で調査票に記入することになっています。
理由は、住民基本台帳と実際の居住人口には差があるためです。(学生など、住民票を移していない場合もあるため)
ふだん住んでいる場所=3か月以上にわたって住むことになっている場所のことをいいます。
たとえば、老人ホーム等の施設に入所している方は、10月1日現在、既に3か月以上入所しているか、3か月以上入所することになっていれば、その施設で調査となります。
これらのことから、生活実態に即した行政運営の基準となる統計としては、住民基本台帳よりも国勢調査のデータのほうが適しているのだそうです。
国勢調査は、日本に住む人全員に関係がある調査で、回答する義務があり、回答拒否や虚偽回答をした場合には罰則(罰金)が定められている大規模な統計調査です。
正直、面倒くさいなー、時間ないし。と思っていましたが、公正で効率的な行政が行われるためにはこの調査が必要不可欠だということなので、しっかり回答したいと思います。
24時間いつでも回答できますし、日本で最も重要な統計調査と言うほどの調査ですからね。
調査票の記入の仕方や、よくある質問、国勢調査でどんなことがわかるのかを知りたいときは、国勢調査の公式ページが参考になります。
