2020年は、5年に一度の国勢調査が実施される年です。
大々的にテレビCMも流れているので、そんな調査が行われているということはなんとなく知っている方が多いと思います。
ところでこの調査って一体何のために実施されているのかご存じですか?
この調査、日本に住む人全員に関係のある調査ですよ!
回答はいつも人任せの方や、よく知らないけど回答してるよという方、はたまた実は今まで一度も回答したことありません・・・という方必読!
今さら聞けない国勢調査の概要や疑問点、義務や罰則について、ここにまとめます。
目次
5年に一度行われる国勢調査
国勢調査は、日本では大正9年(1920年)から行われ、5年に一度のペースで実施されています。
調査の概要についてサラリと見ていきましょう。
国勢調査の概要
目的
- 国及び地方公共団体における各種行政施策その他の基礎資料を得ること
- 生活環境の改善や防災計画など、生活に欠かせない様々な施策に役立てるため
- 行政上の施策への利用 (少子・高齢化対策、防災対策、雇用対策のための基礎資料)
- 各種法令に基づく利用 (衆議院議員選挙区の改定、地方交付税の算定のための基礎資料)
- 学術研究などへの利用 (将来人口・世帯数の推計のための基礎資料)
対象
令和2年10月1日現在、日本国内に住んでいるすべての人(外国人を含む)と世帯
調査の期日
令和2年(2020年)10月1日現在
回答期間
- インターネット回答期間:令和2年9月14日(月)から
10月7日(水)10月20日(火)まで - 調査票(紙)での回答期間:令和2年10月1日(木)から
10月7日(水)10月20日(火)まで
インターネットでも郵送でも回答を受付するとのことです。10月6日時点の回答率は、インターネットが35.1%、郵送が18%で、合計53.1%となっています。回答には義務があるというわりには低いですよね。
調査事項
1世帯員に関する事項
- 氏名
- 男女の別
- 出生の年月
- 世帯主との続柄
- 配偶の関係
- 国籍
- 現在の住居における居住期間
- 5年前の住居の所在地
- 在学、卒業等教育の状況
- 就業状態
- 所属の事業所の名称及び事業の種類
- 仕事の種類
- 従業上の地位
- 従業地又は通学地
- 従業地又は通学地までの利用交通手段
2世帯に関する事項
- 世帯の種類
- 世帯員の数
- 住居の種類
- 住宅の建て方
国勢調査に関する疑問
回答する義務はあるの?
回答する義務があります。
国勢調査は「統計法」という法律に基づいて実施されていて、調査対象者に回答する義務(報告義務)を課して行っています(統計法第13条)。
報告を拒んだり虚偽の報告をしたりした場合の罰則も規定されています(統計法第61条第1号)。
(報告義務)
第十三条 行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。
2 前項の規定により報告を求められた個人又は法人その他の団体は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。
3 第一項の規定により報告を求められた個人が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。
罰則はあるの?罰金は?
統計法の第61条により、報告を拒んだり、虚偽の報告をした者は 50万円以下の罰金に処すると定められています。
第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした個人又は法人その他の団体(法人その他の団体にあっては、その役職員又は構成員として当該行為をした者)
二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十六条第一項の規定により匿名データの提供を受けた者又は当該匿名データの取扱いに関する業務の委託を受けた者その他の当該委託に係る業務に従事する者若しくは従事していた者で、当該匿名データを自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した者
虚偽の回答をして罰則を受けたという事例も同じく見つけられず。
筆者が見つけられなかっただけ、という可能性は大いにありますが情報として。
回答しなければどうなる?
回答期限である 10月7日(水)までに回答が確認できない場合、「調査員が回答のお願いに伺います。」とされているので、催促訪問があるということですね。
住民基本台帳(住民票)があるのに、どうして調査が必要なのか?
国勢調査では、住民票の届出に関係なく調査されます。
住民票がある場所に関係なく、10月1日現在普段住んでいる場所で調査票に記入することになっています。
たとえば、老人ホーム等の施設に入所している方は、10月1日現在、既に3か月以上入所しているか、3か月以上入所することになっていれば、その施設で調査となります。
- 地域の行政を適切に進めるには、その地域に実際に住んでいる人の状況に基づいて行う必要がある
- 住所の変更をせず(住民票を移さず)に転居する人がいるため、住民票の届出場所と実際に住んでいる場所が一致しない場合がある
- 住民基本台帳には、氏名、出生の年月日、男女の別、住所、世帯主の氏名、続柄という限られた人口の属性しか記載されておらず、産業別・職業別の就業者数、昼間の人口と夜間の人口の違いなど、 国勢調査で把握される人口の様々な実態に関する統計情報を、住民基本台帳からは得ることができない
これらのことから、生活実態に即した行政運営の基準となる統計としては、住民基本台帳よりも国勢調査のデータのほうが適しているのだそうです。
マイナンバー(個人番号)があるのに、どうして改めて調査が必要なのか?
- マイナンバーは、法律で定められた範囲以外での利用・提供が禁止されています。社会保障・税・災害対策の行政手続きに限り利用が認められているため、国勢調査で利用することはできません。
- マイナンバーは住民基本台帳(住民票)のデータに番号が割り振られることから、限られた人口の属性しか得られません。
まとめ
国勢調査は、日本に住む人全員に関係がある調査で、回答する義務があり、回答拒否や虚偽回答をした場合には罰則(罰金)が定められている大規模な統計調査です。
正直、面倒くさいなー、時間ないし。と思っていましたが、公正で効率的な行政が行われるためにはこの調査が必要不可欠だということなので、しっかり回答したいと思います。
いうほど時間もかかりませんし、24時間いつでも回答できますし、日本で最も重要な統計調査と言うほどの調査ですからね。
調査票の記入の仕方や、よくある質問、国勢調査でどんなことがわかるのかを知りたいときは、国勢調査の公式ページが参考になります。