フロン排出抑制法で義務化された定期点検・簡易点検の方法と罰則

業務用エアコンを設置している事業者は、定期的な定期点検と簡易点検を実施し、その記録を残すことが義務になっていることをご存じですか?

「自分たちで点検することが義務」なのです!
罰則が強化されたので「知らなかった」では済まないかもしれません。

この記事では、義務とされている定期点検と簡易点検(日常点検)の概要や実施頻度、どこをどう点検したら良いのか、点検をしなかった場合の罰則などについてまとめています。

フロン排出抑制法とは

フロン排出抑制法の概要については、こちらの記事で詳しくまとめていますのでご参照ください。

義務付けられた点検とは

点検は2種類ある

我が社にある業務用エアコンにもフロンが充填されているですが、点検って一体何をしたら良いのでしょうか?

フロン排出抑制法で義務付けられている点検は2種類あります。必ず全事業者がやらなければいけないのが簡易点検。一定規模以上の機器を使っている場合は定期点検も行わなければいけません。
わかりやすいように表にしてみました。

点検には「定期点検」と「簡易点検」の2種類あります。

簡易点検
  • 全ての第一種特定製品が対象
  • 管理者自ら点検する
  • 実施頻度:3ヵ月に1回以上
定期点検
  • 圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW以上の機器が対象
  • 有資格者による点検が必要なため、専門業者へ依頼する
  • 実施頻度:1年に1回以上、または3年に1回以上(製品区分と出力によって異なる)

点検実施時の点検結果や整備内容は、記録して保管することが義務付けられています。

点検するのは誰?

点検実施とその記録が義務付けられているのは、第一種特定製品管理者です。

第一種特定製品とは

第一種特定製品って何ですか?

第一種特定製品とは、冷媒としてフロン類が充填されている機器のことで、業務用エアコンや業務用冷蔵冷凍庫などが該当します。
第一種特定製品の例
  1. 業務用エアコン(空調機器)
    パッケージエアコン、ビル用マルチエアコン、チラー等
  2. 業務用の冷蔵機器・冷凍機器
    冷蔵・冷蔵ショーケース、自動販売機、業務用冷蔵庫・冷凍庫、冷水機、ビールサーバー等

第一種特定製品管理者とは

第一種特定製品の管理者って誰のことですか?
所有者?メーカー?

管理者は、「当該製品の所有者その他使用等を管理する責任を有する者」と定義されていて、その製品の所有権の有無や管理権限の有無によって判断されます。早い話が、持ち主ですね。リースやレンタル製品の場合は、契約書等で管理責任者を確認しましょう。ビルやテナントは、基本的には建物のオーナーが管理者となります。

簡易点検の実施方法

簡易点検が義務付けられているとはいえ、点検って一体どうやって何を確認したら良いのでしょう?電気関係詳しくないし、機械のことなんてさっぱりわからないし。簡易点検のやり方がわかりません。

簡易点検は基本的には目視による点検になります。室外機と室内機を目で見て、傷や油染み、霜付きなどの異変がないかを確認します。同時に、変な音や振動がないかを確認します。

それなら私にもできそう!

簡易点検は難しくはないですし、時間のかかることでもありません。
目で見て、音を聞いて、異変を感じたら専門業者へ点検を依頼しましょう。
簡易点検の点検項目
室外機 異常音や異常振動がないか
油のにじみがないか
傷や腐食、錆びがないか
室内機 霜付きがないか

簡易点検は、安全で容易に点検できる範囲で良いとされています。
危険をおかしてでも点検をしなくてはならないのではなく、確実に点検可能な個所を可能な範囲で点検することが求められています。

日常的に点検を実施することで、故障やフロン漏えいを早期に発見することが目的なのですね。

定期点検の実施方法

定期点検が必要かどうかの判断方法

簡易点検は全ての機器が対象ということはわかりましたが、”一定規模以上の機器”が行う必要がある「定期点検」とは、具体的にどのような機械が対象になりますか?

定期点検の義務があるかどうかは「管理する第一種特定製品の機器の圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kW以上かどうか」で判断します。

定格出力?そんなのわかりません。どこを見たらわかりますか?

圧縮機電動機の定格出力は、室外機の銘版に記載された圧縮機の定格出力を確認すればわかります。
機械の取扱説明書や仕様書でも確認できますが、メーカーに問合せるのもひとつの方法ですね。
POINT
室外機の銘板に「圧縮機の定格出力」「電動機出力・圧縮機」「呼称出力」などと記載されているのが、その機器の圧縮機に用いられる電動機の定格出力です。
【写真】業務用エアコン圧縮機の定格出力の確認方法

定期点検の頻度

我が社で使っている業務用エアコンの圧縮機の定格出力は、9.0kWでした。
7.5kW以上なので、簡易点検だけでなく定期点検も必要ですね。
定期点検の実施方法を教えてください。

そうですね。まず、定期点検の実施頻度については、製品の種類と定格出力によって違います。わかりやすいように表にまとめました。
圧縮機に用いられる電動機の定格出力 定期点検の頻度
業務用エアコン 50kW以上 1年に1回以上
7.5kW以上50kW未満 3年に1回以上
業務用冷凍冷蔵機器 7.5kW以上 1年に1回以上

定期点検のやり方

我が社の業務用エアコンの場合だと、3年に1回実施するということですね。
どうやって点検すれば良いのですか?

定期点検は、「十分な知見をもった有資格者」に依頼しなければならない決まりになっています。十分な知見をもった有資格者とは、冷媒フロン類取扱技術者の資格保持者など、専門知識を持った人です。

簡易点検と違って、素人点検ではなくしっかりと専門業者に点検してもらわなければいけないのですね。

そういうことです。
定期点検を実施する際は 専門業者へ依頼し、有資格者による外観検査の他、直接法、間接法またはこれらを組み合わせた方法による検査を行うこととされています。

点検を怠ったときの罰則

点検をやらなければ何か罰則はあるのでしょうか?

フロン排出抑制法には罰則規定があります。
この罰則は、定められた点検をしなかったからということに限ったものではなく、フロン排出抑制法の義務に違反した者に対する罰則であるということを理解しておいてくださいね。義務の中に、点検実施も含まれます。
フロン排出抑制法の罰則
  • フロン類をみだりに放出した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 機器の使用・廃棄などに関する義務について都道府県知事の命令に違反した場合は50万円以下の罰金
  • 冷媒を回収せずに機器を廃棄した場合は、50万円以下の罰金
  • 回収依頼書もしくは委託確認書を交付せず廃棄した場合、書類の保存を怠った場合は、30万円以下の罰金
  • 引取証明書(写し)の保存を怠った場合には、30万円以下の罰金
  • 算定漏えい量の未報告・虚偽報告の場合は10万円以下の過料
おすすめの記事