毎月のお給料から差し引かれる「厚生年金保険料」の、保険料の上限が引き上げられる見込みです。
令和2年6月23日から、「厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令案(仮称)」についてパブリックコメントによる意見募集が開始されています。
厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令案とは?
改正の趣旨・概要
厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「法」という。)の規定に基づき、
令和2年9月1日から適用する標準報酬月額の等級区分について、
現在の最高等級の上にさらに1等級を加えるための必要な読替えを行うとともに、
同日から適用する標準賞与額の最高限度額を定めるもの。
最高等級が、第31級から第32級に
具体的にいうと、標準報酬月額の等級区分について 、現行の最高等級(第31級:620,000円)の上に、さらに1等級(第32級:650,000円)が加えられるということです。
厚生年金の上限追加はおよそ20年ぶりなのだそうです。
標準報酬月額については、こちらの記事で詳しく解説しています。
標準報酬月額ごとの被保険者数をみると、標準報酬月額の上限である62万円に該当している方の割合の多さがわかります。
上限等級が引き上げられるとどうなる?
現状では、標準報酬月額 605,000円以上で一律第31級となっていますが、等級上限の引き上げ後は、新たに標準報酬月額 635,000円以上からは第32級に該当することになります。
大事なことなのでもう1度言います。
2020年9月分からは、報酬月額が63万5000円以上の人は、新しい最高等級である32等級(65万円)になります。
ちなみに、これまで31等級に該当していた方が32等級となる場合、労使ともに保険料負担が増加します。
増加する保険料負担額は、それぞれ2745円です。
まとめ
- 厚生年金保険に係る標準報酬月額の上限等級が引き上げられる
- 施行日は令和2年9月1日の予定
- 2020年9月分(10月納付分)の保険料より適用となる
- 現在31等級の方は、32等級に該当することになれば保険料負担がアップする(月額報酬が63万5000円以上の人は要確認!)
もちろん、将来受ける年金は標準報酬月額65万円分を元に計算されます。
現時点(2020年7月9日現在)では、パブリックコメントによる意見募集が行われている段階ですが、今後交付・施行となるのはほぼ間違いないと思います。
直接的な影響を受けるのは現在最高等級の方とその使用者(会社)ですが、給与計算にも影響がありますので、気を付けなければいけませんね。