標準報酬月額とは?社会保険料の基礎をわかりやすくまとめました

社会保険料を語る上で避けては通れない「標準報酬月額」という言葉。
この「標準報酬月額」がもととなり、毎月お給料からいくら社会保険料が控除されるかが決まります。

日本の社会保険料は、現役世代が高齢者を支える構造になっているので、現在は超高齢化社会というだけあって、社会保険料率は年々上がっています。

この記事では、健康保険料・厚生年金保険料の基礎、標準報酬月額について、わかりやすくまとめます。

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そもそも「社会保険料」とは?

広義での社会保険は、「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険料」「国民年金保険料」などすべてを含めたものとなりますが、この記事では、会社員等が給料から差し引かれる「健康保険料」「厚生年金保険料」の2つの保険料を社会保険料として説明していきます。

給料から差し引かれる社会保険料はどうやって決める?

毎月の給料、そして賞与からも控除される社会保険料。
この「健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料」の額を計算するために必要で、基となるのが標準報酬月額です。

言い方を変えると、標準報酬月額によって、健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料の額が決まります

じゃあその標準報酬月額はどうやって決まるの?というところをこれから説明していきます。

標準報酬月額はどう決まる?

報酬月額の求め方

標準報酬月額は、毎年7月1日現在で使用される全被保険者について、
前3か月間(4月、5月、6月、※いずれも支払基礎日数17日以上の時)に受けた報酬の総額を、その期間(3)で割った額報酬月額として、決定します。
これによって決まった標準報酬月額の等級が、その年の9月から1年間、適用されます。

 

ん?文章だとよく分からないので、わかりやすいように式にすると

(4月の報酬総額+5月の報酬総額+6月の報酬総額)÷3=報酬月額 となります。

「報酬」の定義が少しややこしいのですが、基本的には労働者が労働の対償として受けるものであればすべて報酬に含まれます。具体的には以下の通りです。
報酬に含まれるものの例
  • 基本給
  • 通勤手当(通勤定期券も含む)
  • 残業手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 休業手当
  • 休職手当
  • 年4回以上支給されている賞与

※「臨時に受けるもの」および「3ヶ月を超える期間ごとに受けるもの」は、報酬には含まれない。

継続して勤務する労働者については、毎年4~6月の給料の平均額を記入して、日本年金機構や健康保険組合などに「算定基礎届」を提出しなければなりません。これにより標準報酬月額が決まります。これを定時改定と言います。
※標準報酬月額の決定のタイミングは 大きく分けて3つありますが、ここでは、定時決定時の計算方法を紹介しています。資格取得時や随時改定の際の標準報酬月額の算定方法とは異なります。標準報酬月額の決定についての詳細は、日本年金機構のホームページが参考になります。
(参考)

標準報酬月額と等級

報酬月額をだすことができたら、「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を見れば、等級と標準報酬月額がわかります。

下記の表は、全国健康保険協会による東京都の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」です。
※料率は都道府県によって異なります。

健康保険料は50等級、厚生年金保険は32等級あります。

厚生年金の標準報酬月額等級については、2020年9月1日より、これまでの厚生年金保険の標準報酬月額の最高等級である「第31 級:62万円」の上に、新たな等級「第32等級:65万円」が追加され、上限が引き上げられました

もうお気付きの通り、報酬(給料)が高ければ高いほど、等級も高くなり、保険料も高くなります。
令和2年度保険料額表(令和2年4月分から)東京都 | 全国健康保険協会

 

▼先程報酬月額の計算式の例としてだした図のように「標準月額」が200,000の場合は、赤で囲んだ部分が標準報酬月額となります。

健康保険は17級、厚生年金保険は14級ですね。

ちなみに、会社員の場合は保険料は事業主(会社)と折半しますので、実際に給料から控除されるのは「折半額」となります。
介護保険第2号被保険者に該当しない場合(基本的には40歳に達してない人)は健康保険料が9,870円、40歳に達した人は介護保険第2号被保険者にあたりますので、介護保険料も含めて健康保険料は11,660円となります。
厚生年金保険料は18,300円です。

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