安全運転管理者とは?選任義務と管理業務を詳しく解説!

交通事故を防止し 安全運転を確保するため、道路交通法では自動車の使用者(事業所)に対して安全運転管理者等を選任する義務を定めています。

2022年10月より義務化される「社用車を運転する前後のアルコール検知器による酒気帯びチェック」を行うのも、この安全運転管理者の業務のひとつです。

この記事では、事業で車を使うなら絶対に知っておくべき 安全運転管理者の選任とその管理業務について、ポイントをまとめています。

安全運転管理者制度とは?

事業所での安全運転を確保するための制度として「安全運転管理者制度」があります。

自動車の使用者(ここでは事業所の代表等を指します)は、規定の台数(後述*)以上の自動車を使用する場合、その本拠ごとに、安全運転管理者を選任しなければならないと道路交通法で定められています。

* 事業で自動車を使用していて下記のいずれかに該当する場合、安全運転管理者を選任しなければなりません。

  • 定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所
  • 自動車(社用車)を5台以上使用している事業所(自動二輪車1台は0.5台で計算、原付は含まない)

安全運転管理者選任事業所とは?

先述した通り、事業で使用する自動車を一定数以上(自動車5台以上、または乗車定員11名以上の自動車を1台以上)保有する事業所は、安全運転管理者選任事業所となります。

該当する事業所は、道路交通法により 以下のことが義務付けられています。

  • 安全運転管理者を選任すること
  • 選任後15日以上に事業所の管轄の警察署を経由して公安委員会へ届け出ること
  • 安全運転管理者に毎年1回の講習を受けさせること
  • 自動車を20台以上使用しているときは、その台数に合わせて副安全運転管理者も選任すること(自動車20台につき1人

    安全運転管理者を選任していないとどうなる?罰則は?

    安全運転管理者や副安全運転管理者を選任しなかった場合には罰則があり、5万円以下の罰金が課されます。

    安全運転管理者とは?

    安全運転管理者の資格要件とは?

    安全運転管理者は、誰でもなれるわけではなく、年齢や実務経験、違反行為を行っていないなどの要件を満たしていなければなりません。

    安全運転管理者 副安全運転管理者
    • 年齢20歳以上(副管理者を置く場合は30歳以上)
    • 運転管理経験2年以上
    • 上記の者と同等の能力があると公安委員会が認定した者
    • 過去2年以内に一定の違反行為をしていない者
    • 過去2年以内に公安委員会の解任命令を受けていない者
    • 年齢20歳以上
    • 運転管理経験1年以上または運転経験3年以上
    • 過去2年以内に一定の違反行為をしていない者
    • 過去2年以内に公安委員会の解任命令を受けていない者

    詳しくは 警視庁ホームページ をご参照ください

    安全運転管理者等の資格要件|警視庁ホームページ

    安全運転管理者の管理業務

    安全運転管理者は、道路交通法に基づき、内閣府令で定められている9つの安全運転管理基本業務を行わなければなりません。

    1運転者の状況把握
    自動車の運転に関する運転者の適性、技能・知識、道路交通法や命令の規定の遵守状況を把握する措置を講ずること。
    2運行計画の作成
    最高速度違反、過積載運転、過労運転、放置駐車違反の防止など安全運転の確保に留意した運行計画を作成すること。
    3交替要員の配置
    運転者が長距離運転や夜間運転に従事する場合に、疲労等により安全な運転が継続できないおそれがあるときには、あらかじめ交替運転手を配置すること。
    4異常気象時の安全確保
    異常気象、天災等により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示をするとともに、安全運転を確保するための措置を講ずること。
    5点呼等による指示
    運転者に対して点呼を行う等により、日常点検を実施させるとともに、飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれがないか確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
    6酒気帯びの有無の確認
    運転前後の運転者に対して、運転者の状態を目視等で確認することで、酒気帯びの有無を確認すること。

    CHECK!

    2022年10月1日からは、アルコール検知器を使ってチェックすることが必須となります。
    7酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存
    酒気帯びの有無の確認の内容を記録し、その記録を1年間保存すること。

    CHECK!

    2022年10月1日からは、記録を1年間保存することに加え、アルコール検知器を常時有効に保持することが加わります。
    8運転日誌の記録
    運転者名、運転の開始・終了の日時、運転距離、その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
    9運転者への指導
    運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識など安全運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと。
    ― POINT ―

    道路交通法施行規則の一部が改正され、令和4年4月1日から安全運転管理者の業務が拡充されました。
    アルコール検知器の使用義務に関する規定については令和4年10月1日から施行されます。

    安全運転管理者等講習について

    安全運転管理者が安全運転管理に必要な知識等を習得するため、法定講習(安全運転管理者等講習)が実施されています。

    自動車の使用者(事業所)は、公安委員会から「安全運転管理者等に対する講習」の通知を受けたときは、安全運転管理者等にその講習を受けさせる義務があります。

    ※この講習は、既に選任されている安全運転管理者等に対する講習であり、安全運転管理者になるために必要な講習ではありません。

    まとめ

    一定の自動車を保有している事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。
    安全運転管理者選任事業所にあたるにも関わらず、安全運転管理者を選任していない事業所がありましたら、まずは速やかに選任手続を行いましょう。
    安全運転管理者の選任後は、定められた管理業務を確実に実行していく必要があります。

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