


年金だけでは安心して老後の生活を送ることは難しいと言われています。
だからこそ、制度についてしっかりと知っておくことが大切です。
この記事は、老後に受け取る年金「老齢年金」のうち、「在職老齢年金」についての解説です。
在職老齢年金の基礎知識や、2026年4月より改正される在職老齢年金の支給停止調整額についてまとめていきます。

在職老齢年金とは、働きながら年金を受け取る高齢者が、一定以上の収入(賃金)がある場合に、年金の一部または全部の支給が停止となる仕組みのことです。(年金制度を支える側に回ってもらう、という考え方に基づいているのだそうです。)
具体的には、70歳未満の人が会社に就職して厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上の方が厚生年金保険の適用事業所で働いている場合には、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる場合があります。
簡単に言えば、年金をもらいながら働いて高収入を得ていれば、厚生年金が削られるのというのが「在職老齢年金」です。
在職老齢年金の対象者
老齢厚生年金を受ける60歳以上の人で
70歳以上の人は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、70歳以降も厚生年金適用事業所で働いている場合は、在職老齢年金の対象となります。(在職による支給停止が行われます。)
先述した通り、老齢厚生年金を受給している人が厚生年金保険の被保険者であるときに、老齢厚生年金の基本月額1と総報酬月額相当額2の合計額が支給停止調整額3を上回ると、年金額が支給停止となる場合があります。
この支給停止(減額)の基準額が、支給停止調整額です。
在職老齢年金の計算方法
ざっくり言うと、厚生年金と賃金(月収+その月までの1年間の賞与の12分の1)の合計額が 支給停止調整額を超えると、超えた額の半額が厚生年金から減額されます。(※給与には影響ありません。)
支給停止期間
支給停止期間は、基本月額と総報酬月額の合計額が支給停止調整額を超えている期間です。
支給停止される額の計算は、月額単位で行います。
在職によって支給停止(減額)となるのは「老齢厚生年金」のみです。
老齢基礎年金は支給停止の対象ではありません。
在職老齢年金の詳しい計算方法や細かい留意事項について詳しくは、日本年金機構のHPで確認できます。
厚生年金は本来、これまで納めてきた保険料に応じて受け取れるものだから、老後も働いているからといって年金が減額されるのは納得できないという批判は多いようです。
そりゃあそうですよね…。「年金がカットされてしまわないように働く時間を調整する」というのも無理はないような気がします。
高齢者の就労の阻害要因になっているという背景もあり、令和8年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が月51万円から月62万円に引き上げられます。(令和7年度年金制度改正法に基づく改正)
働き続けることを希望する高齢者が、より働きやすく活躍できる仕組みにするための見直しです。
年金の減額を意識しないで働ける範囲が広がって、より多くの収入が得られるようになるんだね!
基準額は、賃金の変動に応じて毎年度見直されます。
働き続けることを希望する高齢者が、年金が減額されることを避けて働き控えをしたり、働き損になってしまうことを防ぎ、意欲ある高齢者がより活躍できる社会となることが期待されます。
▼2026年4月からの在職老齢年金制度改正に関するパンフレットです。(日本年金機構)
> 働きながら年金を受給する皆さま 在職老齢年金制度が改正されます(PDF 455KB)
”基礎から知りたい年金制度のしくみ”シリーズ





