「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」にて、直管蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが決まりました。
簡単に言うと、蛍光灯は2027年末で製造終了となります。
この記事では、蛍光灯の2027年問題について簡単に解説します。
蛍光灯は2027年で製造終了となる
2027年末までに、直管蛍光灯の製造と輸出入が禁止されることが決定しました。
これは、「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議で合意されたもので、水銀に関する水俣条約は、水銀の使用、水銀による健康被害や環境汚染を規制する国際条約です。
電球型蛍光灯は先に製造終了となる
電球形蛍光灯は、2025年末で製造・輸出入禁止となります。
電球型蛍光灯と直管蛍光灯の製造・輸出入が禁止となるということは、すべての一般照明用蛍光灯の製造が終了するということになります。
なぜ蛍光灯の製造が禁止されるのか
蛍光灯の製造が禁止される理由として、製造に使用される「水銀」が、水俣病という病気の原因となることがあげられます。
水俣病という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、その詳細を知っている人は少ないかもしれません。
水俣病は、工場などから海や河川への排出水に含まれるメチル水銀化合物を、魚やエビ、カニ、貝などの魚介類が吸収し、それを人間が食べることによって起こる中毒性の神経疾患です。
昭和31年に初めての患者が発生し、人類の歴史上類例がないといわれる公害となりました。
日本で起きた水銀汚染による健康被害や環境破壊が二度と繰り返されないよう、水俣条約で国際的な水銀の管理が必要です。そのために、水銀を採掘したり、水銀を使った製品の製造・輸出入をすることを禁止しているのです。
蛍光灯は使えなくなるの?
2027年末で蛍光灯の製造と輸出入は禁止されますが、2028年以降も在庫品販売や使用は継続できます。
とはいえ、新たに製造することが禁止されるのですから、入手困難になるのは確実です。
蛍光灯を使用する照明器具は、すでにほとんどのメーカーで生産終了となっていて、LEDが主流となっています。
今後もLED照明への移行が加速することになるでしょう。
まとめ
「水銀に関する水俣条約」によって、蛍光灯の製造と輸出入が2027年末までに禁止されます。
これにより蛍光灯の値上げや品不足が予想されます。
LED照明への切り替えなどを検討し、早めに備えておく必要がありそうです。