
この記事では、源泉徴収票の見方とおさえておきたいポイントをわかりやすく解説しています。
目次
源泉徴収票とは?
そもそも源泉徴収票とはどんなもの?という基礎的なところから解説していきます。
源泉徴収票とは、1年間に会社から支払われた給与や賞与の金額と、差し引かれた所得税の金額が書かれた書類です。
給与をもらっている勤務先から発行されるもので、年末調整の後、多くの企業では12月~1月中に配布されます。
12月より前に退職した場合は、退職後に源泉所得税が交付されます。

源泉徴収票の見方
源泉徴収票には、会社からもらった給料・賞与の金額や、そこから差し引かれた社会保険料、所得税等 様々な金額が記載されています。
なにやら項目がいっぱいあってわけがわからないと思っている方も多いかもしれませんが、ポイントさえつかめれば源泉徴収票の見方は難しくありません。
まずは、ここだけはおさえておこう!という基本項目から解説していきます。
1支払金額とは?
源泉徴収票に載っている「支払金額」とは、1年間に会社から受け取った給与や賞与、残業代、各種手当などの合計金額です。
税金や社会保険料等、いろいろと差し引かれる前の金額です。
※非課税扱いとなる交通費(通勤手当)等は、支払金額には含まれていません。
一般的に言う「年収」とは、この「支払金額」のことになります。
あなたの年収は?
源泉徴収票から年収を知りたい場合は、「支払金額」を見ます。
[支払金額=総支給額の合計]と言う人もいますが、厳密に言うと少し違います。
総支給額には通勤手当も含まれますが、源泉徴収票に載っている支払金額には通勤手当が含まれないからです。
2給与所得控除後の金額とは?
源泉徴収票に載っている「給与所得控除後の金額」とは、「支払金額」から「給与所得控除額(*)」を差し引いた金額です。
この金額が「所得金額」となります。
源泉徴収票の見方だけわかれば良いという方は、「そういう控除があるんだねー」くらいの理解で良いと思います。
あなたの所得はいくら?
源泉徴収票から所得を知りたい場合は、「給与所得控除後の金額」の欄を見ます。
あなたに給与所得以外の所得がない場合は、これが合計所得金額となります。
3所得控除の額の合計額とは?
源泉徴収票に載っている「所得控除の額の合計額」とは、先ほど出てきた給与所得控除以外に控除される金額の合計額です。
所得控除とは?
所得控除とは、本人や家族の事情によって税負担を軽減するための控除です。
所得控除の種類として、下記のような控除があります。
どの控除が適用されるかは、その人によって異なります。
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- ひとり親控除
- 扶養控除
- 基礎控除
上記の他、年末調整では控除されないため 控除を受けるためには確定申告が必要な所得控除があります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 寄附金控除
4源泉徴収税額とは?
源泉徴収票に載っている「源泉徴収税額」とは、1年間に収める(納めた)所得税の金額です。
毎月の給与や賞与から差し引かれていた源泉所得税の合計が、ここに書かれた「源泉徴収税額」よりも多い場合は、その差額が還付されます。
逆に給与や賞与から差し引かれた金額よりも、この「源泉徴収税額」が多い場合は、不足分を徴収されます。(通常、還付の場合も徴収の場合も、その年の最後の給与内で調整されます。)
あなたが支払った所得税の金額は?
源泉徴収票から、1年間に収める(納めた)所得税の金額を知りたいときは「源泉徴収税額」の欄を見ます。
源泉徴収票の見方~さらに詳しく
源泉徴収票において、上記で解説した4つの項目より下の部分に記載されているのは、控除額や所得税額を計上するための明細・根拠のようなものです。
この欄をみれば、あなたの扶養親族に関することや、適用を受けた控除等の詳細がわかります。
たとえば、「社会保険料等の金額」に書かれている金額は「社会保険料控除」を受けた金額になりますし、扶養親族がいる人は扶養親族の情報が記載されています。
住宅ローン控除を受けている人は「住宅借入金等特別控除の額の内訳」の欄に、金額等が記載されています。