【勤怠管理システム】比較検討のポイントと各社の特色まとめ

【勤怠管理システム】比較検討のポイントと各社の特色まとめ

マナビト社では、長らく利用していた勤怠管理システムがサービス終了となってしまうことを機に、勤怠管理システムの乗り換えを行いました。

勤怠管理サービスを提供する会社はたくさんあり、その特色も様々。

はじめは「どこの勤怠サービスも似たようなものだ」と思っていましたが、実際にデモ画面を見せてもらったりトライアルで使ってみると、それぞれの特色や違いがよくわかりました。

たくさんある勤怠管理システムの中から候補を絞り込むのは結構大変で時間もかかったので、私たちが得た情報や成果が、勤怠管理システムの導入を検討している方の参考になればと思い、ここにまとめます。

勤怠管理システムを比較検討するときのポイント

まずは、勤怠管理システムの導入や移行にあたって候補を選定するときにポイントとなることをまとめます。

料金体系、最低契約人数や最低料金の設定があるか

勤怠管理システムには、無料で利用できるものと有料のものがあります。

無料で利用できる勤怠管理システムは、広告が表示されたり、利用人数に制限があったり、一部機能制限がある場合があります。

ですので、必要とする機能が何なのかを捉えた上で検討する必要があります。

従業員数

従業員数が多い大企業なのか、少人数の中小企業なのかも、勤怠ソフト選定時の大きな判断材料になります。

企業規模によって相性の良い勤怠管理システムが変わってくるからです。

1名から少額で使える勤怠管理システムもあれば、30IDからスタートなどの大人数向けのシステムもあります。

また、カスタマイズに対応しているタイプと、標準機能のみで独自のカスタムはできないタイプの勤怠管理システムがありますので、支社や部署が多い大企業であれば自社の要件に合わせてカスタマイズができるタイプの方がグループ全体を一元管理するのに向いているかもしれません。

打刻方法

PC・スマホ・タブレットによるWEB画面での打刻の他、ICカード、QRコード、指静脈、Slack、LINE等、さまざまな打刻方法があります。

打刻機の貸し出しサービスを行っている場合もあります。

どんな打刻方法に対応しているのかは、各勤怠管理システムが毎に異なりますので、実際に運用する際の打刻方法をあらかじめ決めておくと選定しやすくなります。

機能(絶対に必要な機能は何か?)

勤怠管理システムの主要な機能は下記の通りです。検討している勤怠管理システムが、必要としている機能に対応しているかどうかは確実に確認しておきましょう。

  • 打刻機能(打刻方法)
  • 日々の勤怠確認ができる打刻記録、勤務記録一覧
  • ワークフロー(有給などの申請・承認機能)
  • 勤怠データの出力(出勤簿、勤務実績表)
  • 各勤務形態への対応(固定時間制、フレックスタイム制、変形労働時間制、裁量労働制など)
  • シフト管理
  • 勤怠アラート(残業超過等に対する警告)
  • 有休休暇管理、特別休暇管理、独自の休暇設定
  • API連携
  • カスタマイズ対応

弊社は出勤簿をPDF形式で出力したいのですが、意外と非対応の勤怠管理システムが多くて驚きました。勤怠データはCSVで出力できるものが多かったです。(csvだと給与計算システムへの取り込みも可能だからだと思います。)

わかりやすく使いやすいか

管理画面の見やすさや、操作性の良さ、わかりやすさも大事なポイントです。

労務担当者だけではなく、従業員にとってもみんなが使いやすい管理画面であることが大切です。

打刻画面はシンプルでわかりやすい勤怠管理システムがほとんどでしたが、独自のクセのあるものもありました。

給与計算との連携機能

給与計算と連携できる勤怠管理システムを利用すれば、給与計算にかかる手間や時間が削減され、間違いもなくなり効率的です。

APIで自動連携、CSVデータによる連携などがあり、ワンクリックで連携できるタイプもあります。

マネーフォワードやfreeeのように、同シリーズで給与計算ソフトがある場合は自動連携されるので便利です。

すでに利用している給与計算ソフトがある場合は、連携可能かどうかを確認した上で勤怠管理システムも検討してみると良いかもしれません。

サポート

サポート体制がどのようになっているのかも事前に確認しておくと安心です。

導入時からサポートしてくれる勤怠管理システムもあれば、基本的には自分で設定しなければならず導入サポートは非対応のシステムもあります。

無料でサポートが受けられるタイプ、サポートを受けるためには有料のサポートプランへの加入が必須なタイプなど様々です。

勤怠管理サービスの機能比較表

主要な勤怠管理システムの機能を比較してみました。(2025年夏時点)

機能freee人事労務マネーフォワードクラウド勤怠ジンジャー勤怠キングオブタイムCLOUZA
企業規模タイプ中小企業向け中小企業向け中小~大企業向け中小~大企業向け中小企業向け
打刻機能PC打刻・Web打刻
モバイル(スマホ)打刻
LINE打刻×××
ICカード打刻
ID・パスワード打刻
顔認証打刻×××
PCログイン・ログオフ
自動打刻
××××
GPS打刻(位置情報記録)
打刻時間のまるめ設定
ワークフロー申請・承認〇*
アラート機能打刻漏れ等
36協定違反
有休5日取得
インターバル不足×××
勤務形態固定時間制
フレックスタイム制×
変形労働時間制×
裁量労働制(みなし)×
シフト勤務
休暇管理休暇管理機能
有休自動付与
年次有給休暇管理簿〇*
時間単位の有休管理
独自の休暇の作成×
サポートチャットサポート××
メールサポート〇有料
電話サポート×〇有料
連携給与システム連携給与機能あり給与機能あり
料金月額料プランによるプランによる400円~/人300円/人200円~/人
最低利用料金(人数)5ID~プランによる10人~なしなし
最低契約期間1ヶ月間なし1年間なしなし
初期費用なしなし30万円なしなし

△=条件あり
〇*=オプション

正確な機能詳細については各勤怠管理システムのサービス案内でご確認ください。

人気の勤怠管理システムは?

勤怠管理システムのシェア率はどのような感じなのかと思い調べてみると、下記の勤怠管理システムのシェアが高いようです。(AIの回答をもとにしています。)

マナビト社でもトライアルや問い合わせをしてみましたので、実際に使ってみて感じたリアルな感想とともに紹介します。

マネーフォワード勤怠

中小企業を中心に支持されています。

マナビト社でもトライアルをしてみましたが、必要な機能はすべて揃っていてとても使いやすく、初期設定も視覚的に操作できてよかったです。直感的に操作でき、マニュアルも充実しているのであまり困ることがありませんでした。

勤怠機能だけではなく、会計や給与といった機能もあわせて利用できます。

今回マナビト社では勤怠管理機能のみを利用したかったのですが、マネーフォワードは勤怠だけでの利用ができず、会計や給与との抱き合わせ商品であるという点が、マナビト社と今回マッチせずでした。ただ、すごく使いやすく設定も簡単で、多くの企業に選ばれているというのが納得できるものでした。これといった不満がないほど良かったです。

ジョブカン勤怠管理

大企業で多く利用されているようです。

4つの機能(出勤管理/シフト管理/休暇・申請管理/工数管理)から自由に組み合わせて利用することができ、無料プランもあります。(利用機能1~4つで機能制限あり)

カスタマイズ性が高く、さまざまな勤務形態に対応できる点が強みです。

メール、チャット、電話のサポートをすべて無料で受けることができるので安心です。

有料プランは月額最低料金が2200円という設定で、月200~500円×登録ユーザー数となります。

必要な機能だけを自由に組み合わせて利用できる点が強みです。最低利用料金があるので、従業員数が数名しかいない企業には選ばれにくいかもしれませんね。

ジンジャー勤怠

大企業で多く利用されているようです。

マナビト社でもトライアルをしてみた結果、機能面・サポート面がとても良く、最終候補まで残りました。

シフト制など複雑な勤務形態にも対応可能で、細かい部分まで様々な設定ができます。人事労務管理機能もあわせて利用できるところも強みです。

初期設定が少し複雑で難しいと感じましたが、しっかりとサポートをしてくれるので安心できました。

初期費用がかかる点・年間契約である点が、「気軽に始める」というわけにはいかない感じがします。ただ、どんなケースの勤務形態にも対応できるため、自社の勤務形態に合わせた管理がしやすく、機能面・運用面が強いため利用満足度は高いと思います。

KING OF TIME(Touch on Time、freee勤怠管理plus)

※タッチオンタイム、フリー勤怠管理plusはキングオブタイムのOEMです。

初期設定も、毎日の打刻等の操作も簡単でわかりやすく、利用料も安価で最低契約期間や最低利用人数などの縛りがないところが強みです。

従業員数の少ない企業でも使いやすく、従業員数が多い企業でも物足りなさを感じることがないほど、必要な機能が揃っています。

コスパに優れ、導入し易いのが強みです。

細かいことを言うと、打刻画面(タイムカード画面)と有休等の申請をするページ(Myレコーダー画面)が別々なのが少し不便に感じました。(クリックひとつで行き来できるので、慣れれば問題なさそうではあります。)
有休休暇の申請をするときに「スケジュール申請」として行う等、表現が独特だなぁと感じる点もありました。(これも慣れの問題ですね。)

勤怠管理システム選定のまとめ

勤怠管理システムの選定・導入においては、やはり実際に使ってみるのが1番です。

勤怠管理システムの多くは、WEB会議などでデモ画面を見せてもらえたり、無料トライアルが可能です。トライアルのために初期設定をするのは時間も手間もかかりますが、実際に使ってみなければわからないことがたくさんあります。

初期投資や毎月の利用料、使いやすさ、カスタマイズ性、セキュリティの観点など、検討すべき点が多数ありますが、勤怠管理システムの導入・移行を成功させるためには、慎重なシステム選定が欠かせません。

時間も労力もかかりますが、ぜひ多方面から検討してみてくださいね。

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