ニュース番組や新聞などで「今年の春闘でのベア要求」などと耳にすることがあります。
特に春頃に増える「春闘」「ベア」の話題について、一体どういう意味で何を表しているのか知っていますか?
この記事では、社会人として知っておきたい「春闘」「ベア」について解説します。
春闘とは
春闘(しゅんとう)とは、各企業等の労働組合が毎年春に賃金引き上げ等を中心とする要求を各企業等に提出し、団体交渉を行うことです。これは、全国中央組織の労働団体や産業別組織の指導のもとに行われます。
春闘をわかりやすくひとことで言うと、「毎年春に経営側と労働組合との間で行われる、労働条件の改善についての交渉」です。
「春闘」という言葉の意味は、春季闘争や春季生活闘争の略ということです。”闘争”だなんてなんだか荒々しい感じがしますよね…。
春闘の歴史は長く、現在の春闘方式は1956年(昭和31年)から始まったそうです。
新聞やニュースで大きな話題になるのは「春闘」ですが、春闘の時期以外にも「秋闘」など様々な労使交渉が行われています。
ベアとは
「ベア」は「ベースアップ」の略です。
ベースアップとは、ベースである基本給に対する昇給額・昇給率のことです。
全社員の給与水準を一律で引き上げることを意味します。
※勤続年数や年齢、役職等を問わず「全ての労働者の給与水準を一律で引き上げる」という点が、「定期昇給」等とは異なります。
まとめ
春闘は大企業を中心に行われ、労働組合が経営側に要求するのが2月頃、経営陣が回答するのが3月頃となることから、毎年春になると「春闘」や「ベア」といった言葉がメディアを賑わせます。
春闘というとベアに関する回答が注目されがちですが、労働組合が要求するのはベアだけではなく、労働時間や職場環境など働き方に関する事項について幅広く盛り込まれています。
動向を知るために日本労働組合総連合会が示す「春季生活闘争方針」を確認してみるのも良いでしょう。
労働組合のない企業においても、労働条件を見直す上で必要な情報となるはずです。