会社の備品や固定資産を売ったときの会計処理をシンプルに解説

先日、社内で使わなくなった備品や家具を整理しました。

「捨てるなんてもったいない!」と言いたくなるような良品が多数あったので、まだまだ使えそうなものはリサイクルショップへ買い取ってもらい、買い取ってもらえなかったものは処分したりリサイクル拠点へ持ち込んだりしました。

リサイクルショップへ売る、ということはその売却代金を手にすることになります。
そのお金はもちろん会社の金庫に入ります。となると会計上処理が必要です。

そして売ったものの中には、固定資産(償却資産)も含まれておりました。
となるとますます会計処理が必要ですね。

というわけで今回は、会社の備品や固定資産を売却したときの会計処理についてまとめていきます。



会社の備品を売却したときの経理処理

会社の備品を売却したときの経理処理は、「その備品を買ったときにどのような経理処理をしているか」「それは消耗品なのか?」「固定資産なのか?」「いくらで売れたのか?」というのがポイントになります。

固定資産以外の備品を売却したとき

「購入時に全額を費用計上している備品」すなわち、固定資産以外の備品を売却したときの処理はいたってシンプルですので、わかりやすいです。

でもこの「購入時に全額を費用計上している備品」という言い方、なんだかまわりくどくて嫌ですよね。
これを簡潔に言い表すと、買った時に「消耗品費」や「事務用品費」などの経費として計上しているもの、ということです。
基本的には10万円未満で買ったものは全部経費になっているはずです。

POINT
購入時に全額を費用計上している備品を売却した場合、売却金額がすべて収益となる
具体的な仕訳は下記のようになります。
例)
・去年の秋に6万円で買った加湿器(消耗品費として計上)を、500円で売った
・買取金額は現金で受け取った
借方 金額 貸方 金額
現金 500円 雑収入 500円

これだけです。シンプルでわかりやすいですよね♪

売った金額の全額が、売却した年度の収益となります。

 

ここで注意が必要なのは、売却した年です。当年度よりも前の年に買った備品を売却する場合は上記の通りでOKです。

じゃあ今年買ったものを今年度のうちに売るときは?

 

この場合、費用(消耗品費)をマイナスしても良いですし、上記と同じようにシンプルに売った金額を雑収入としても、どちらでも良いようです。
金額が少なく重要性が低いので、簡便的な処理で問題ないということのようです。

どちらでも良いと言われると逆にわからなくなりますよね(笑)

ちなみに、費用をマイナスするとなると、このような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
現金 500円 消耗品費 60000円
消耗品費 59500円

同じ年度内で購入と売却の両方がなされた場合は、結果としてその年度の費用がマイナスされます。

6万円で買ってあまり使わないうちに売ったのに、たったの500円にしかならないなら、私は売りませんけどね。(笑)

 

 

あまりありえないかもしれませんが、買った金額(6万円)より高く、8万円で売れたと仮定するとこのような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
現金 80000円 消耗品費 60000円
雑収入 20000円

購入した金額よりも高く売れた場合は、購入金額を超える部分(儲かった金額)が、売却益(雑収入)となります。

 

固定資産を売却したとき

固定資産として計上している備品を売却したときは少し 面倒くさい 注意が必要です。

帳簿価格と売却額を比べて、損したのか・益がでたのかをハッキリさせなくてはいけません。

そしてその帳簿価格をだすためには、期首から売却日までの期間に対応した減価償却費を計上しなければなりません。

帳簿価格とは?
その勘定科目の、帳簿に記載されている金額のことを帳簿価格と言います。
「簿価」とも言います。
固定資産の売却時の簿価は、「取得原価-減価償却累計額-当期首から売却時までの減価償却費」で求めます。
POINT
  • 帳簿価格と売却額の差額は、固定資産売却損または固定資産売却益として計上する
  • 帳簿価格を出すときは、期首から売却するまでの減価償却費を忘れないよう、注意が必要
具体的な仕訳をみていきましょう。
例)
・数年前に40万円で買ったデスクを1000円で売った
・買取金額は現金で受け取った
固定資産を売った場合は、売却時の帳簿価格がいくらなのか?」ということがとっても大事なポイントになります!
それによって仕訳がかわってきますので、パターン別に書いていきます。
※この記事では、固定資産売却益・固定資産売却損に関することだけをシンプルに解説したいので、減価償却費の計算については詳しく触れません。よって、以下の仕訳にでてくる固定資産(工具器具備品)の金額は、「減価償却後の簿価」とします。
売却時の帳簿価格が5万円だった場合
売却時の帳簿価格が5万円だったとします。
帳簿価格が5万円のデスクを 1000円で売った場合、そのデスクがもう不要になったとはいえ、損してますよね?
5万円の価値(あくまでも帳簿上の価値です)があるものを1000円で売ったということは、その差額である4万9千円を損したという風に考えることができます。
この損の部分は、「固定資産売却損」という科目で計上します。
借方 金額 貸方 金額
現金 1000円 工具器具備品 50000円(簿価)
固定資産売却損 49000円

 

売却時の帳簿価格が1000円だった場合
帳簿価格が1000円だったとしたらどうでしょうか?
なかなかないと思いますが、帳簿価格とピッタリ同じ金額で売ったときは、固定資産がなくなり、現金が増える、という仕訳だけでOKです。

 

借方 金額 貸方 金額
現金 1000円 工具器具備品 1000円(簿価)

 

売却時の帳簿価格が500円だった場合
帳簿価格が500円だったとしたらどうでしょうか。
帳簿価格が500円のものを1000円で売った場合、利益がでます。
500円儲かっていますよね♪
その利益は「固定資産売却益」として計上します。
借方 金額 貸方 金額
現金 1000円 工具器具備品 500円(簿価)
固定資産売却益 500円

 

 

 

ちなみに、この記事では詳しく触れなかった減価償却費を含んだ仕訳は以下のようになります。

例)
・前年度に40万円で買ったデスクを、今年度の6月30日に35万円で売った
・買取金額は現金で受け取った
※会計期間は4月1日~3月31日までの1年間とする
借方 金額 貸方 金額
現金 350000円(売った金額) 工具器具備品 400000円(取得価格)
減価償却累計額 A(取得から今年度の期首までの減価償却費) 固定資産売却益 取得価格-A-B-売却額
減価償却費 B(期首(4月1日)~売却日(6月30日)までの3か月間の減価償却費をで月割計算した額  

なんだかいっきによくわからない仕訳になりますよね…。
減価償却については、また別の記事で詳しくまとめたいと思います。

固定資産を処分したときの会計処理

備品を売ったときの会計処理について書いてきましたが、売却ではなく廃棄処分をした場合でも基本の考え方は同じで、廃棄した時点の帳簿価格がポイントになります。

廃棄処分したときは会計上で「除却(じょきゃく)」の処理を行います。

固定資産の事業用の使用を中止して、帳簿から除く処理を、「固定資産の除却」と言います。

除却することで損した金額は、「固定資産除却損」として計上します。

「固定資産除却益」という科目もあるにはあるようですが、通常、除却して益がでることはほとんどないかと思います。

 

除却に関して詳しくは、別の記事にまとめます。

おすすめの記事