固定資産ってそもそも何?という基本的なことから、固定資産にかかる税金である固定資産税・都市計画税に関することを 5分でわかるように簡単にまとめました。
目次
固定資産とは?
固定資産とは、1年以上の長期にわたって保有し、流通や販売を目的としない資産です。
代表的な例としては、土地や建物、機械設備などがあります。
有形固定資産と無形固定資産
固定資産の種類として「有形固定資産」と「無形固定資産」があります。
土地や建物、機械設備などの 形があって目に見えるものが有形固定資産、ソフトウェアや特許権、営業権など形のないものが無形固定資産です。
POINT不動産会社が販売目的で所有している土地や建物は、「商品」であるため固定資産ではありません。
税法上の固定資産と会計上の固定資産
固定資産とひとくちに言っても、「会計上の固定資産」と「税法上の固定資産」の2通りの意味があります。
ここからは、地方税である「固定資産税」に関してまとめていくので、税法上の固定資産の話として読み進めてください。
固定資産税とは?
固定資産を所有していると、固定資産税を納めなければなりません。
1月1日時点でその資産を所有している人が納税義務者となります。
固定資産税とは?
固定資産税とは、所有している固定資産(土地、家屋、償却資産)に対する税金で、固定資産の資産価値(評価額)に応じて課税されます。
無形固定資産は対象になりません。
固定資産税はいつ払う?
固定資産税は 固定資産の評価額と税率をもとに決定され、自治体から納税通知書が送られます。
納期は自治体によって異なりますが、一般的には4月~6月頃に納税通知書が届き、納期限は4期分に分かれていて、一括で納めることもできます。
固定資産税の税率はいくら?
固定資産税は、「課税標準額×1.4%」で計算されます。
※1.4%は標準税率です。自治体はこの税率を独自に設定することができるため、1.5%や1.6%の自治体もあります。
固定資産税を払わなかったらどうなる?
納期限までに固定資産税を支払わなかった場合、延滞金が発生します。
督促や催告に従わずに放置していると、最終的には財産差し押さえの可能性もあります。
なぜ固定資産を持っていると税金がかかるのか?
なぜ土地、家屋、償却資産を保有していると税金をとられるのかというと、固定資産税は、固定資産の保有と市町村が提供する行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、応益原則に基づいて課税される財産税だからです。
① 資産の所有者と市町村の行政サービスとの間に受益関係が発生する
② 資産を保有するという事実に納税者の担税力が認められる
という二つの側面があります。
土地や家などの固定資産は、道路を作るといった行政サービスによって、利便性の向上、資産価値の向上などの恩恵を受けていると考えられます。
そこで、その恩恵を受ける人(固定資産の所有者)が、資産価値に応じた税負担をする、という理論になります。
都市計画税とは?
固定資産税とともに課税されるものに「都市計画税」があります。
都市計画税とは?
都市計画税は、市街化区域内に土地や建物を所有している人に課税されます。
固定資産税と同じ地方税で、道路や下水道、公園整備などの都市計画事業や、土地区画整理事業に使われることになっています。
市街化区域とは、市区町村や県が定める区域で、家屋や商業施設が建てられ、道路や公園、下水道などの公共施設が整備される、優先的に開発されるエリアのことです。
わかりやすくいうと、便利で住みやすい「街中」のイメージです。
一方「市街化調整区域」とは開発をなるべくおさえる地域で、「非線引き区域」はそのどちらでもない地域です。
都市計画税は、市街化区域ではない場所に土地や建物を所有している人には課税されません。(= 都市計画や区画整理が行われない場所だから、です。)
都市計画税の税率はいくら?
都市計画税は「課税標準額×0.3%」で計算されます。
※0.3%は制限税率であり、自治体は0.3%以下の範囲で税率を設定できるため、0.3%よりも低い税率の自治体もあります。