最近はネットショッピングでも街でのお買い物でも、様々な場面でいろいろな「ポイント」がたまります。
会社の備品を購入したときでももちろんポイントはもらえます。
ポイントを使って会社の備品を買うこともあります。
ですが、そこである疑問が・・・。
ポイントって、会計処理はどうなるの?
ここでは、ポイントの経理処理の方法について 簡単にわかりやすくまとめていきます。
目次
ポイントの会計処理の方法
最初に結果から言うと、ポイント制度の会計処理方法には明確に定められた基準がありません。
現時点(2019年12月時点)では、こうしなければならないという厳格なルールはないようです。
が、じゃあ適当でいいかー♪ というわけにもいきませんので(笑)、一般的に利用されている会計処理の方法で会計処理をします。
会社ごとにポイント利用時のルールをきちんと定めておくと良いですね。
ポイントは「収入」か「値引き」か
ポイントを、「収入」としてとらえるか、ポイントの使用により物品が「値引き」されたととらえるか。
捉え方の違いによって、計上の仕方も異なります。
下記の例をベースとして、それぞれの仕訳についてまとめていきます。
例)
・ここでは消費税を考慮しない
ポイントを使ったとき
1ポイントを「収入」ととらえる場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 30,000 | 現金 | 20,000 |
雑収入 | 10,000 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 30,000 | 雑収入 | 30,000 |
2ポイントを「値引き」ととらえる場合
よって、ポイントを使った分の金額は仕訳にでてこないことになりますね。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 20,000 | 現金 | 20,000 |
※「加湿器の元値である3万円 ー ポイント利用分の1万円 」= 2万円のみ計上
仕訳無し。計上されません。 |
ポイントをもらったとき
「ポイント付与」についての会計処理は不要です。
たとえば、上記例の加湿器の買い物の際に200ポイント付与されたとしても、「ポイントをもらった」という会計処理は不要です。
ポイントが付与されたことの仕訳がいらない理由は、ポイントが付与された時点では、一定期間経過後に使用期限切れをむかえてポイントが失効する可能性もあるからだそう。
ポイントが付与されただけでは、実際に値引きされたわけでもないですしね。(※ポイント付与分が即座に値引きされた場合は、仕訳が必要です!)
なので、あくまでポイントを使った時点で計上するのが一般的です。
ポイントを「資産」ととらえるケースもありえる
ここで注意!
会社によっては、付与されたポイントを資産として計上するところもあるかもしれません。
ポイントは現金と同じように 1ポイント1円として使うことができたりもしますからね。
ポイントを電子マネーに交換する、というように現金化するパターンもあります。
SuicaやPASMO、nanaco、WAONなど、プリペイド方式の電子マネーは、一般的には「貯蔵品」や「仮払金」とすることになっています。
ポイントを電子マネーの残高にした場合は、その時点で収益としてあげるべきかと思いますが、こちらも現在のところ会計・税務ともに明文規定はないようです。
キャッシュレスポイント還元/値引き・キャッシュバックの場合
2019年10月1日からの消費税率引き上げに伴って、9か月間行われる事業である「キャッシュレス・ポイント還元事業」でのポイント還元も、考え方は上記と同じです。
上記の説明では、保持しているポイントを使うものとして記載してきましたが、ポイントを持っていなくても、キャッシュレス支払いにより購入金額から即時に値引きしてくれるパターンもありますよね。コンビニ等がそうです。
その場合も、考え方は同じです。
「値引き」ととらえるか、「収入」ととらえるかです。
コンビニ等、即時還元の取り扱いをする場合は、「ポイント還元」というより「値引き」なので、なんとなく②の処理の方が妥当な気がしますよね。
クレカ等、後日ポイントで還元されるのは、どちらかというと値引きというより「雑収入」の扱いの方がしっくりくるので、①の仕訳の方が良い気がします。
ですが結論としては、この記事の当初からお伝えしております通り、どちらでも良いのです。
消費税はどうする?
消費税については、実際に払った金額を基準に考えます。
まず、ポイント付与時には消費税は不課税です。
3万円の消耗品を1万円のポイントを使って購入した場合、2万円が消費税課税対象取引となり、1万円(ポイント利用分)は不課税となります。
まとめ
結論。「定められたルールがないのでやりやすいようにどうぞ。」です。(笑)
こんな曖昧な結果を「結論」として良いのか悩むところではありますが、明確な規定がない以上、それぞれの会社でルール整備を行うのが1番良いかと思います。
ただし今後なにかしら整備が行われ、会計処理上のルールが設けられる可能性はありますね。
ちなみに課税上は、雑収入でも値引きでも、所得課税(所得税、法人税)では利益は同じになるので問題ありません。
筆者の会社では、ポイントについては計上していません。
ポイントを使って購入したときは「値引き」ととらえ、実際に払った金額で計上しています。
ですので、商品価格の全額をポイントで支払った場合には、会計上の仕訳にはでてきません。
それが一番シンプルだと思います。