業務に関連した移動で高速道路を使うことがあります。
ETCを利用して通行料金を支払うと、領収証が発行されないので、精算や経費計上の際に悩む場面があるかもしれません。
この記事では、ETCカードを利用した高速道路の通行料金の経費精算の方法や、領収証代わりに使えるETC利用明細の発行方法、インボイス対応などについて解説します。
目次
ETCの経費精算
ETCの会計処理
ETCの通行料金の勘定科目は、一般的には「旅費交通費」となります。
個人のETCカードで支払った料金の精算
法人名義のETCカードがあれば、業務で高速道路を使う場合は会社のETCカードを使う場合がほとんどでしょう。
従業員個人名義のETCカードを使った場合は、従業員がETC料金を建て替えて支払い、あとで精算するということになります。
立替精算については、必要書類や締め日などの社内ルールが存在する場合がほとんどだと思いますので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
一般的に、立替精算や経費計上には「領収証」が必要ですが、ETCレーンを通過した場合は領収証が発行されません。
次の章では、その対処法について解説します。
ETCは領収証がでない?!どうする?
高速道路を利用し、料金所の一般レーンを通過すれば領収証を受け取ることができますが、ETCレーンを通過した場合には領収証が発行されません。
そこで、領収証の代わりとしてよく使われるのが「ETC利用明細書」です。
ETC利用明細書の入手方法
ETCカードを利用した証明となる「ETC利用明細書」の入手方法を3つ紹介します。
1 ETC利用照会サービスを利用する
高速道路各社が運営する「ETC利用照会サービス」を利用すると、ETC利用明細書を入手できます。
ETC利用照会サービスを利用するためにはユーザー登録が必要です。
登録手続きには以下の情報が必要となりますので、事前に準備しておくと良いでしょう。
- ETCカード番号
- 登録するETCカードでETC無線通行した利用年月日
- 車載器管理番号
- 車両番号下4桁
- メールアドレス
※ 利用登録をするためには、過去15か月以内に1回以上(ETCコーポレートカードの場合は過去62日)、登録するETCカードを利用してETC無線通行を行っていなければなりません。
※ 利用登録から明細照会をするまでには、4時間ほど要します。
※ 1つのユーザーIDに最大10枚までETCカードを登録できます。
2 ETC利用履歴発行プリンターを利用する
高速道路の一部サービスエリアやパーキングエリアには、ETC利用履歴を紙で印刷することができるプリンターが設置されています。
車載器から抜き取ったETCカードをカードリーダーに挿入することで、利用履歴情報を印刷することができます。
ETC利用履歴発行プリンターが設置されているサービスエリアやパーキングエリアに立ち寄った際にこのプリンターを利用すれば、ETC利用履歴を入手できます。
※ まだ出口を通過してない(通行料金が確定していない)ものは出力することができません。
ETC利用履歴発行プリンターは、カー用品専門店や家電量販店でも販売されています。
3 クレジットカード会社に明細書を発行してもらう
ETCカードを発行しているクレジットカード会社が発行する利用明細書でも、領収証の代用が可能な場合もあります。
ただし、発行されるまで1~2か月など時間がかかるのが難点です。
ETCでの高速道路利用のインボイス対応
先述の通り、ETCで高速道路を利用すると、請求書や領収証は発行されません。つまり、適格請求書が発行されないということになりますが、ETCを使った高速道路利用のインボイスに関しては、国税庁より次のように対応することが認められています。
- ETCを使用した高速道路の利用については、すべての取引について、ETC利用照会サービスでダウンロードした「利用証明書(簡易インボイス)」の保存によって、仕入税額控除を行うことが基本となります。
- ただし、高速道路の利用頻度が高く「利用証明書」の保存が困難なときは、クレジットカード会社から発行されるクレジットカード利用明細書(*)と、利用した高速道路会社等ごとに任意の一取引に係る「利用明細書」を併せて保存することにより、仕入税額控除を行うことができます。
(*)個々の高速道路利用に係る内容が判明するものに限ります。また、取引日や取引内容、取引金額が分かる利用明細データ等を含みます。
※ETC利用照会サービスで発行できるインボイス対応の「利用証明書」は、ETCクレジットカードを利用の場合に限られます。ETCコーポレートカード及びETCパーソナルカードを利用の場合は、月に一回発行される請求書がインボイスに対応したものとなります。
まとめ
ETCの利用料金を経費精算する場合は、ETC利用明細を領収書代わりに使うのが一般的です。
ETC利用明細は、ETC利用照会サービス、ETC利用履歴発行プリンターなどを利用して発行することができます。
ETC利用照会サービスでダウンロードした利用証明書は、簡易インボイスとして認められているため、仕入税額控除を行う場合はこちらの保存をすることが必要となります。