傷病手当金の支給期間が、暦日数で数えるのではなく、支給期間での通算に変わります。
この記事では、傷病手当金の支給期間の数え方や改正内容、2022年1月の施行日前に傷病手当金の支給を開始している人への適用についても解説しています。
目次
傷病手当金とは?
そもそも傷病手当金って何よ?という方のために簡単に説明すると、業務外でのけがや病気の療養のために仕事を休まなければならなくなったとき、お給料がもらえない療養中の生活保障として、健康保険の保険者から行われる給付のことです。
傷病手当金をもらうためには4つの要件がありますが、詳しくはこちらの記事にまとめています。
傷病手当金の支給期間、どう変わる?
傷病手当金が支給される期間は、最長1年6か月なのですが、この1年6か月の数え方が変わります。
改正前の支給期間
改正前の傷病手当金の支給期間は、支給開始日から起算して最長1年6か月であり、この1年6ヶ月の間に仕事に復帰した場合でも、復職期間も含めて1年6ヶ月を数えます。
受給開始日から1年6ヵ月後に受給期間満了となり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、支給開始日から1年6ヵ月を越えた期間については支給されませんでした。
改正後の支給期間
改正後は、傷病手当金の支給開始日から、就業した期間を含めずに、傷病手当金が支給された期間を通算して1年6か月間支給されます。
共済組合ではすでに通算によって1年6か月分支給されているので、今後は健康保険の傷病手当金でも同じ数え方になります。
出典:傷病手当金について|令和2年3月26日 厚生労働省保険局
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ひとことで言うと、暦上の日数で数えるのではなく、仕事を休んだ期間(傷病手当金の受給期間)で1年6か月を数えるということです。
傷病手当金支給期間の通算、変わるのはいつから?
2022年1月以降に傷病手当金の支給を開始したときに、改正後の支給期間が適用されます。
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施行日:2022年1月1日
施行日より前に傷病手当金を受給している人の支給期間はどうなる?
2022年1月以降に傷病手当金の支給を開始する場合は当然改正後の数え方が適用されますが、では2022年1月の施行日より前に傷病手当金を受給している人は、改正前のルールで支給期間を数えるのでしょうか?
これについては経過措置があります。
第一条の規定による改正後の健康保険法第九十九条第四項の規定は、施行日の前日において、支給を始めた日から起算して一年六月を経過していない傷病手当金について適用し、施行日前に第一条の規定による改正前の健康保険法第九十九条第四項に規定する支給期間が満了した傷病手当金については、なお従前の例による。
この場合、2022年12月31日の時点で、まだ支給開始日(4月1日)から1年6か月を経過していません。
となると、もしこれから先にまた同じ病気で傷病手当金の支給を受けることがあれば、支給期間での通算(改正後の数え方)が適用されるということになります。
- 2021年12月31日時点で、傷病手当の支給開始から1年6か月経過していない場合は、改正後の数え方(受給期間の通算)が適用される
- 2022年1月1日より前に、傷病手当金の支給開始日から暦で1年6か月を経過している場合は、既に支給期間が満了しているため、改正後の数え方(支給期間の通算)は適用されない