働き方改革による副業推進に伴い、本業の他に副業をしている人も珍しくなくなりました。
この記事では、副業をしている人が確定申告をしなければならないとき・確定申告が不要なときについてまとめています。
目次
確定申告とは
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、自分が払うべき税金を自ら計算して、申告する手続きのことです。
確定申告をしなければならない人と確定申告しなくても良い人について知りたい方は、こちらの関連記事をご覧ください。
副業とは
副業の意味
副業とは「本業以外に行う仕事」のことです。実は副業に関する法律上明確な定義はないのだそうです。
本業以外で副収入を得ていることを「副業している」と言います。
兼業・ダブルワーク・サイドビジネスと言ったりもしますね。
副業、複業、兼業の違い
副業、複業、兼業。似たような言葉ですが微妙に意味合いが異なります。
副業 | 本業のかたわら副収入を得るために行う本業以外の仕事(サイドビジネス) |
複業 | 複数の仕事をしていて どの仕事も比重が同じくらいの場合 |
兼業 | 本業以外にもう一つ事業をしている場合(ダブルワーク) |
副業の種類
副業といっても、アルバイト、在宅ビジネス、内職、個人事業など様々な種類がありますよね。
たとえば、株やFXなどの投資、動画クリエイター(YouTuber)、ブログ(ブロガー)やサイト運営、アフィリエイト、ハンドメイド作品の販売、メルカリなどのフリマアプリやネットオークションでの物品販売も副業のひとつです。
すき間時間でやるものといえばポイ活やUberEatsの配達員なんかもそうですね。
覆面調査や美容モニターなどもあります。
ライター業務やイラスト作成など、自分が持っているスキルを活かした副業もあります。
キャバ嬢やホステスなどの水商売、いわゆる夜の街で働く人もいるかもしれません。
民泊をはじめたり、駐車場としての貸し出しなどで収入を得ていても同様です。
副業の収入は、月数百円や数千円のお小遣い稼ぎ程度のものから、月10万円を超える高額なものものまで様々です。
とにかく、本業の他に収入を得ている仕事や事業のことを「副業」といい、副業で得た収入のことを「副収入」といいます。
副業の所得の種類
本業の他に仕事や事業をしていればそれは副業ですが、副業といってもその内容によって所得の種類が異なります。
代表例をいくつかあげます。
- 給与所得:アルバイトやパートなど
- 事業所得・雑所得:ライター業務やホームページの作成、アフィリエイト、YouTuber、UberEats、物品販売など(継続的に一定程度の所得があれば事業所得、お小遣い程度の稼ぎであれば雑所得となります)
- 不動産所得:不動産の賃貸収入など
- 譲渡所得:土地、建物、株式等の資産の譲渡
- 配当所得:株の配当や投資信託など
- 雑所得:暗号資産(仮想通貨)取引など
副業をしていれば確定申告が必要
ここからがようやく本題です。副業で得た収入は、税務署へ確定申告しなければいけないのか?という疑問について解説していきます。
結論から言うと、副収入の額が年間20万円を超えれば確定申告をしなければなりません。
年末調整が済んでいる給与所得者(会社員等)であっても、副業で20万円を超える所得を得ている場合は、確定申告が必要です。逆に言うと、副収入が20万円以下であれば確定申告は不要です。
厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインにも下記のように書かれています。
副業・兼業を行い、20万円を超える副収入がある場合は、企業による年末調整ではなく、個人による確定申告が必要である。
副業していても確定申告が不要となるのはどんなときか
「なるべくなら確定申告はしないで済んだ方が良いなぁ。面倒くさいし。」というのが本音の方が多いと思いますので、副業をしていても確定申告が不要なケースについて、詳しくまとめます。
ここでは、本業がサラリーマン(会社勤めの正社員)と仮定して説明していきます。
- 1か所からのみ給与をもらっていて、副業の「所得金額」が20万円以下のとき
- 2か所以上から給与をもらっていて、年末調整をされなかった給与(副業)の「収入金額」と、給与以外の副業の「所得金額」の合計が20万円以下のとき
上記「1」についてはすんなり理解できると思います。
給与を1か所からもらっている=本業の会社からの給与のことです。ということは、副業は給与ではない(アルバイトやパートではない)ということになります。
イメージとしては、会社員として働きながら、動画クリエイターとしてYoutubeへ動画を投稿し 広告収入を得ているようなケースです。
この場合、ユーチューバーとしての所得が20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。
「2」は少しややこしいですが、2か所以上から給与をもらっているというのがポイントになります。
1か所は本業である会社から、さらにアルバイトで他の企業から給料をもらっているような場合、2か所以上から給与をもらっているということになります。
会社員として働きながら、近所のコンビニでアルバイトもしているようなイメージですね。
正社員でもパート・アルバイトでも、勤め先からもらうのはお給料なので、どちらも「給与所得」となりますが、年末調整は基本的に本業の会社で行うので、アルバイトの分の収入に関しては年末調整されないことになります。
この場合、コンビニでのバイトによる年間収入が20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。
会社員として働きながら近所のコンビニでアルバイトをし、さらにYoutuberとしても活動しているような人もいるかもしれません。その場合は、コンビニでのバイトによる年間収入と、YouTubeで得た所得をたした総額が年間20万円以下であれば、確定申告は不要です。
収入と所得、何が違うのか?
収入金額と所得金額の違いは何かというと、給与や売上などで得た金額が収入、収入から経費を差し引いたものが所得です。混同されがちなので明確にするために表にまとめます。
収入金額 | 給与や売上などで得た金額。 |
所得金額 | 収入から必要経費を差し引いた金額。儲けのこと。「収入(売上)- 経費 = 所得」 |
たとえば先程例にあげたYoutuberの場合、広告収入で得た金額が「収入」、収入から動画制作のためにかかった経費を差し引いた額が「所得」となります。
収入やら所得やらごちゃごちゃ言ってますが、ひとことでまとめると副業での稼ぎが20万円以上あるかないかによって、確定申告が必要か不要かを判断するということです。
副業について確定申告が必要なときと不要なときの判断ポイント
- 副業で年間20万円を超える所得があれば、確定申告が必要
- 副業による所得があっても、それが20万円以下なら確定申告をする必要はない