「マイナンバーカードが健康保険証として使える」ということは知っていても、利用登録は済ませていても、実際に健康保険証として利用したことがある人はまだまだ少ないのではないでしょうか?
そもそも、マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットはあるのでしょうか?
「マイナポイントがもらえるから…」ではなく、真のメリットを確かめておきましょう!
この記事では、マイナンバーカードの保険証利用のメリット・デメリットの他、よくある勘違いや疑問点について解説します。
政府は2024年秋を目途に、現行の健康保険証を原則廃止する方向だと発表しました。
マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えるということです。
これを機に、マイナンバーカードの保険証利用にどんな利便性があるのか、確認しておきましょう!
目次
マイナンバーカードが健康保険証になるってどういうこと?
マイナンバーカードに健康保険証機能が加わり、健康保険証として利用できるようになりました。(「マイナ保険証」とも呼ばれます。)
マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、病院等の医療機関や薬局の受付窓口で従来の健康保険証を提出しなくてもよくなり、かわりに以下の方法で資格確認を行います。
- 医療機関や薬局に設置された顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを読み取らせる
- 顔写真や暗証番号によって本人確認をする
※読み取り操作は自分で行うので、マイナンバーカードは窓口に提出しません。
※マイナンバー(番号)自体は使いません。
※受付の人にマイナンバーを知られることはありません。
顔認証付きカードリーダーとは
病院や薬局の受付窓口に設置される「顔認証付きカードリーダー」でできることは以下の通りです。
- 顔認証による本人確認
- 暗証番号による本人確認
- 薬剤情報/特定健診情報閲覧の同意
- 限度額適用認定証等の情報提供の同意
- 健康保険証利用の申込(初回登録)
画像出典:マイナンバーカードの健康保険証利用について|厚生労働省 [PDF]
マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット
マイナンバーカードを健康保険証として利用することにはどんなメリットがあるのでしょうか?
「べつに健康保険証を持参することを不便に感じていないし」
「健康保険証を持参しなくても良くなるって言ったって、かわりにマイナンバーカードを持参しなくちゃいけないなら同じじゃん。むしろマイナンバーカードを持ち歩くことに抵抗がある…」
と思っている方も少なくないと思います。
ここからは、マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットをまとめていきます!
意外と数多くのメリットがあるのです。
◎健康保険証の持参が不要になる
健康保険証を医療機関窓口に持参する必要がなくなります。
ただ、かわりにマイナンバーカードの持参が必要となるわけですから、この点についてはあまりメリットとは言えないかもしれませんね。
でも!マイナ保険証だと診察券の提出も不要になる医療機関もあるようです。
◎受付が自動化されるので時短になる
医療機関の受付が顔認証(または暗証番号入力)で自動化されます。
これにより受付業務の時間短縮等も期待できます。
顔認証は、マスクや眼鏡をしていたり、帽子をかぶっていても認証可能だそうです!
当然ながら顔写真データが機器に保存されることもないのでご安心あれ。
◎健康診断結果や投薬履歴に基づく診療、処方が可能になる
診察や薬剤処方を受ける時に、健康診断結果や投薬履歴データに基づいた診療・薬の処方を受けることができるようになります。
旅行先や災害時でも、お薬の情報が連携されるので、いざというときも安心して医療を受けられます。
飲んでいる薬や過去の病歴について、自分で説明するのって意外と大変なので、口頭で説明する必要がないのは嬉しいですね。口で言うより正確ですし。
※特定健診情報、薬剤情報を医療機関が閲覧するためには、本人が情報提供に同意することが必須ですので、勝手に見られるという心配はありません。
◎限度額適用認定証の申請が不要
医療費が高額になるときでも、限度額以上の医療費の一時支払いが不要になります。
「高額療養費制度」「限度額適用認定証」の申請手続きや提出が必要なく、限度額までの支払いで済むようになります。(限度額情報の提供に同意することが必要です)
◎就職、転職、引っ越しをしてもそのまま利用できる
就職や転職、引っ越しなどで健康保険証が変わっても、マイナンバーカードならオンラインで資格確認を行うため、変わらずずっと健康保険証として利用できます。(※健康保険側の手続は必要です)
就職や転職をしたとき、新しい健康保険証が届くまでの「保険証が手元にない期間」でも、気兼ねなく医療機関を受診できるというのは安心ですね。
◎マイナポータルで特定健診情報、薬剤情報、医療費が見られる
マイナポータルから、特定健診の情報 や処方されたお薬の情報をいつでも閲覧することができます。
マイナポータルの薬の情報は電子版お薬手帳にも連携できます。
支払った医療費の情報もいつでも閲覧できます。
◎マイナポータルで確定申告の医療費控除が簡単にできる
マイナポータルからe-Taxに連携して、簡単に医療費控除手続き(確定申告)をすることができます。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するデメリット(注意点)
続いて、マイナンバーカードを健康保険証として利用するにあたって注意すべき点をまとめます。
×すべての医療機関で利用できるわけではない
2023年1月時点では、全国全ての医療機関や薬局がマイナンバーカードの保険証利用に対応しているわけではありません。(順次拡大中ではあります)
顔認証付きカードリーダーがないところでは利用できないので注意が必要です。
対応していない医療機関では、従来どおり健康保険証で受診する必要があります。
このステッカーが目印です
このステッカーやポスターが掲示してる医療機関・薬局では、マイナンバーカードを保険証として利用できます。
対応する医療機関・薬局は、厚生労働省のホームページでも確認できます。
厚生労働省はマイナンバーカードの健康保険証利用の普及推進のため、2023年度から医療機関へカードリーダーの設置を原則として義務づける方針を打ち出しています。
×医療費が割高になる!?
2022年4月~9月末まで、顔認証付きカードリーダーを導入している病院でマイナンバーカードを利用して受診すると、従来よりも少し医療費が高くなっていて、3割負担の患者の場合、初診で最大21円・再診で12円、追加の医療費負担が生じていました。
これは、顔認証付きカードリーダーを導入した医療機関に対する診療報酬の加算に伴うものです。(カードリーダー導入のための負担を補うための加算です)
2022年10月からは以下のように、マイナ保険証を使う患者の負担を軽減させ、従来の保険証を使う患者の費用負担が引き上げられました。
【マイナンバーカードの健康保険証に対応した医療機関を受診した場合の追加の医療費負担】
・マイナンバーカードを健康保険証として利用した場合:21円 → 6円に引き下げ
・従来の健康保険証を利用した場合:9円 → 12円に引き上げ
オンライン資格確認が導入されている病院や薬局では、マイナンバーカードではなく従来の保険証を使ったとしても、追加の医療費負担が生じます。
マイナ保険証を使った方が、従来の保険証を使うよりも負担が少なく割安となる仕組みになりました。
結果、これに関してはデメリットではなくなりました。
むしろ従来の健康保険証を使った方が、医療費の支払いは割高になります。
詳しくは、こちらの関連記事で解説していますのでご参照ください。
マイナンバーカードの保険証利用に関するよくある勘違い
マイナンバーカードを保険証として利用することについて、よく勘違いされていることをまとめていきます。
マイナンバーカードを他人(受付窓口)に渡すのが嫌だ・マイナンバーを知られるのが嫌だ
病院の受付窓口の人にマイナンバーカードは渡しません。
自分で、マイナンバーカードを機械(カードリーダー)に読み取らせます。
マイナンバーカードを使って健康保険の資格確認を行いますが、マイナンバーカード(本体)とマイナンバー(番号)そのものは提出する必要がなく、コピーをとられたりすることもありません。
マイナンバーカードに病歴が記録される?
マイナンバーカード自体に資格情報が記載されたり、ICチップに記録されることはありません。
マイナンバーカードを作ったら自動的に健康保険証として使えるようになる?
マイナンバーカードを取得したからといって、自動的に健康保険証として利用できるようになるわけではありません。
マイナンバーカードを保険証として利用するには、申込みが必要です。
どうやったら健康保険証として使える?
マイナンバーカードを持っていれば自動的に健康保険証として利用できるわけではありません。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、健康保険証利用の申込が必要です。これは生涯で1回のみ行えば良く、申し込み後に加入している健康保険が変わっても新たに申し込む必要はありません。
利用申し込みは、スマホやPC(マイナポータル・マイナポイントアプリ)からの他、医療機関や窓口に設置されている顔認証付きカードリーダー、セブン銀行のATMからでも行うことができます。
マイナンバーカードを作っても、健康保険証としては使いたくないという方もいるかもしれません。
勝手に健康保険証と紐づけれらるわけではないので、その点に関しては安心できますね。
今なら7500ポイントがもらえる!
2022年6月30日より、マイナンバーカードでマイナポイントがもらえる事業(第2弾)が行われています。
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにして マイナポイントの申込みをすると、7500円分のポイントを受け取ることができます。
なんだかんだ言っても、これも大きなメリットですよね!
マイナポイントの申込期限は2023年2月末までなので、要件を満たしたら忘れずにポイントを受け取りましょう!
マイナンバーカードの新規取得等でマイナポイントが付与される、通称「マイナポイント第2弾」のカードの申請期限が、2023年2月末まで延長されました。
このマイナポイント事業では合計で最大2万円分のマイナポイントがもらえます。
- マイナンバーカードの新規取得で5000円相当のポイント
- 健康保険証としての利用登録で7500円相当のポイント
- 公金受取口座の登録で7500円相当のポイント
まだマイナンバーカードを作っていないという人は、ポイントを貰うためには2023年2月末までにマイナンバーカードの申請が必要です。
詳細は公式ページでご確認ください。
▶ マイナポイント事業|総務省