「マイナンバーの通知カードが2020年5月をもって廃止」「コロナウイルス感染拡大による特別定額給付金のオンライン申請」「マイナポイント事業」など、マイナンバーへの注目度が高まっている昨今。
またひとつ、マイナンバーに関連した動きがありました。
それは [マイナンバーと預金口座の紐づけ義務化を自民党が提言] とのニュース!
自民党がマイナンバーと金融機関の預貯金口座のひも付けを義務化する提言案をまとめた、との報道です。
金融機関に対して、すべての預貯金の口座情報にマイナンバーを登録して管理することを義務づけることを検討しているとのこと。
コロナウイルス感染拡大による一律10万円の現金給付(特別定額給付金)を巡り、給付までの手続きがスムーズに進んでいない問題を踏まえての提言案だそう。
申請口座の確認などで、自治体では膨大な作業が発生しているようですからね。
早速調べてまとめます。
[2020年6月9日時点の最新情報]
すべての口座へのマイナンバー登録の義務化は見送り、国民1人につき1口座の登録義務化を目指すという報道がありました。
全口座とマイナンバーをひもづけることを見送った理由としては、所得や預貯金額等を国に把握されるのではないかという批判を踏まえてのことだそう。
今議論されている口座登録義務化の目的は、国や自治体からの給付金や福祉目的の支援策などへの活用のため、ということですので、ひとつの口座だけわかればその目的は果たされるということですかね。
目次
口座とマイナンバーを連結する目的は?
個人の預金口座とマイナンバーを紐づける目的・メリットにはどんなことがあるのでしょうか?
- 災害や感染症発生時など緊急時の現金給付の円滑化
- 公平・公正な社会の実現、不正防止
✔ 国民の所得や預金総額などの個人資産を正確に把握できる
✔ 所得隠しや脱税、生活保護の不正受給を防ぐことができる
✔ マネーロンダリングの監視 - 手続きコストの削減
政府は、給付金などを速やかに支給できるようにするため、マイナンバー制度を活用して、希望する人に振込先の口座を登録してもらう仕組みの導入を検討しているようです。
今回のコロナウイルス感染拡大に伴う一律10万円の現金給付(特別定額給付金)の為に取得した口座情報のうち、希望者の情報を保存し、今後の別の給付でも使えるようにする法整備を行う方針なんだとか。
そしてそれとは別に、すべての預貯金の口座情報にマイナンバーを登録して管理することを義務とすることの検討もしている、ということですね。
そしてここで大事なのが、政府がすべての金融資産情報を把握するための制度ではないということ。
これは総務大臣がそう言っているので、そうなんだと思います。そうなると、先ほど書いた「銀行口座とマイナンバーを連結する目的」の内容に矛盾が生じますが…。
政府が国民の金融資産を把握するとなれば、国民の反発はかなり大きくなると思うので、そう簡単な話ではなくなりそうですよね。
あくまで今議論されようとしているのは、銀行口座の中身ではなく、どの金融機関に口座があるかを確認できるものということです。
実はすでに口座とマイナンバーの連結は始まっている?
マイナンバーと預金口座をひもづけることって、もっと前から決まってなかったっけ?と思い調べた結果、わかったことは以下の通りです。
- 2015年9月 改正マイナンバー法成立
- 2016年1月 新たに証券口座・NISA口座・ジュニアNISA口座を開設する際、マイナンバーの提出が必要となった(*1)
- 2018年1月 マイナンバーと預金口座をひも付ける「預貯金口座付番制度」開始(*2)
(*1)
本人の同意のもと、預貯金口座とマイナンバーを連結できるというもの。
(*2)
・利用者が番号を銀行に提供するかはあくまで任意で、罰則はない。
・当面は任意だが、2021年以降義務化されることが示唆されている。
既にマイナンバーの提出が義務になっているのは、「証券口座」でした。
でも預貯金口座についても、今後義務化されることはすでに決定事項だったのですね。
マイナンバーと銀行口座が紐づけられたらどうなる?
銀行口座とマイナンバー連結が義務化されたらどうなる?
これは想像ですが、マイナンバーを通知しなければ新たに口座開設ができなくなる可能性がありますよね。
- 銀行で預金口座開設の際に、マイナンバーの登録が必須となる
- 既存口座についてもマイナンバーの提示を求められる可能性がある
などが予想されます。
国民にとってのメリットは?
国に個人資産を把握されるんじゃないか?という抵抗感や、なんとなく情報漏洩等の不安はあっても、メリットを感じる人は少ないかもしれません。
しかし、メリットだってちゃんとあります!
- 引っ越しの際等に、銀行などへの住所変更手続きが不要となる
- 相続税や贈与税の手続きの際、住民票が不要になる
- 相続の際に通帳がなくても亡くなった人の口座を確認できる
- 災害時に通帳がなくても口座情報が確認できる
- 政府からの現金給付が円滑化される
自民党の動きには、現金給付が円滑化されるメリットを国民が実感できるこの機会に、義務化を一気に進めたい思惑があるのではないか、と言われています。
提言案には、「マイナンバーカードを運転免許証として活用する」ことや「相続や災害発生時の預貯金引き出しの負担軽減ができるように検討」など、機能拡充案も盛り込まれ、利便性向上にもつなげる考えが示されているそうです。
今後の動向にも注目していきます。