労働保険の申告・年度更新とは?概算で前払いした保険料の確定と精算

毎年、5月末~6月上旬頃になると、労働保険の年度更新の時期ということで、労働保険料・一般拠出金 申告書類一式が送られてきます。

「ん?そもそも労働保険の年度更新って何?」という方のために、この記事では労働保険の基本的なことから、申告・納付期限までを、簡潔にまとめます。

そもそも労働保険・労働保険料とは?

労働保険とは?

労働保険
✔ 労災保険と雇用保険を総称して労働保険といいます。
✔ 厚生労働省が管理・運営をしています。
✔ 保険給付など、事務手続きの窓口は、労災保険は労働基準監督署、雇用保険は公共職業安定所が担当しています。
✔ 労働保険は、労災保険と雇用保険を一体として適用することが前提です。
✔ 労災保険、雇用保険ともに、原則として1名以上の労働者を使用する事業は、業種・規模・事業主の意思に関わらず、労災保険の適用事業となります(一部適用除外事業が認められています)。
✔保険料の申告・納付は、 労働保険料として一括して行います。

労働保険料とは?

労働保険料
✔ 労働保険料とは、労災保険と雇用保険の保険料の総称です。
✔ 雇用保険料は原則、事業主(会社)と労働者(社員)が折半して負担します。 保険料率は業種により三つに分かれています。
✔ 労災保険料は全額が事業主(会社)負担です。 保険料率は業種により異なり、災害の発生率が基準になっています。
✔ 労働保険料の申告・納付は、毎年の概算算定申告手続である年度更新により行われます。

労働保険の年度更新とは

年度更新

労働保険料は、保険年度当初に一年度分を概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定保険料を算出して、過不足を精算します。

わかりやすく言うと、概算で保険料を前払いしているということです。前払いする金額はあくまでも概算なので、実際に支払った賃金をもとに確定保険料を算出して、精算する。といった流れです。

この手続きが「年度更新」です。

 

労働保険の年度更新
①前年度にすでに支払っている保険料の精算をするための「確定保険料」の計算
②新年度の「概算保険料」の計算
③「概算・確定保険料申告書」を所轄の労働基準監督署などに申告・納付
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年の3月31日までの1年単位で計算します。
計算方法は、ざっくり言うと 労働者に支払われる賃金の総額にその事業の保険料率をかけます。(厳密には対象となる労働者などにルールがあります。)

労働保険料の申告・納付期限

労働保険料は、提出期限である6月1日から7月10日までの間に「概算・確定保険料申告書」を所轄の労働基準監督署等に提出し、納付します。
年度更新の申告書は、電子申請か郵送で提出します。
概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合、または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合には、 3回(7月・10月・1月)に分けて分割納付(延納)することができます。
口座振替を申し込めば、口座振替も可能です。
口座振替にすると、口座からの引き落としが通常の納期限よりも約2か月遅くなります。
全期・延納第1期 延納第2期 延納第3期
納期限 7月10日 10月31日(事務組合の場合は11月14日) 1月31日(事務組合の場合は2月14日)
口座振替日 9月6日 11月14日 2月14日

 

新型コロナウイルス感染症の影響による猶予が認められます

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、労働保険料の納付が困難な場合で要件に該当すれば、支払の猶予を受けることができます。
  • 猶予を受けることができる期間は1年の範囲内です。
  • 猶予をうけるためには、所轄の労働局に「猶予申告書」の提出をしなければなりません。

詳細は、厚生労働省のホームページにて確認できます。

 

労働保険と一緒に納付する一般拠出金とは?

労働保険の確定保険料の申告にあわせて、「一般拠出金」の支払いも必要です。

この一般拠出金とは一体何なのかというと、石綿(アスベスト)健康被害者の救済費用に充てるためのもので、事業主が負担しなければならないものです。

なぜ事業主が負担しなければならないかというと、石綿による健康被害の救済に関する法律により定められているからです。

一般拠出金率は、業種を問わず、0.02/1000 です。

 

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