健康保険の扶養から外れるのはどんなとき?9つのケースと2つの注意点

健康保険は、業務外で病気やけがをしたとき、休業、出産、死亡といった事態に備える公的な医療保険制度です。

被保険者の収入によって生活している家族は、被扶養者として給付を受けることができますが、被扶養者からはずれることになったとき(被扶養者の要件を満たさなくなったとき)は、届出が必要です。

この記事では、どんなときに扶養から外れることになるのか、扶養から外れることになったときに気を付けることについてまとめています。

 

健康保険の基礎知識や、扶養の要件に関する詳細は、こちらの関連記事にまとめていますので、ぜひご参照ください。

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健康保険の扶養から外れるのはどんなとき?

下記のような状況変化があったときは、健康保険の扶養から外れることになりますので、手続きが必要です。

扶養家族からはずれるのはこんなとき
  1. 被扶養者が就職したとき
    →扶養者だった人は扶養からはずれ、就職先の健康保険へ被保険者として加入することになります。
  2. 被扶養者であった子どもが結婚し、結婚相手に扶養されるとき
    →子どもは扶養からはずれ、結婚相手の被扶養者として加入することになります。
  3. 被扶養者(60歳未満)の年収が130万円を超えるとき
    ※月額平均108,334円を超えると見込まれるとき
  4. 別居している扶養者への送金証明がないとき
    被扶養者が、被保険者の送金で暮らしが成り立っていることの証明が必要です。
  5. 被扶養者(60歳以上)の年収が180万円を超えるとき
  6. 75歳以上になったとき
  7. 退職して失業給付(基本手当)を受給中
    →失業手当も年間収入に含まれますので、1日あたり3612円以上(年間収入130万を1日あたりに換算して計算した金額)の失業手当を受給している間は被扶養者になることができません。
  8. 被扶養者であった配偶者と離婚したとき
  9. 被扶養者が死亡したとき

 

扶養から外れるときに気を付けること

1扶養異動届の届出が必要です

扶養していた家族が扶養から外れることになったときは、自動的に扶養から外れるわけではありませんので注意が必要です。
勤め先の会社の担当者へ、「扶養から外れる者がいる」ということを伝え、手続きを進めなければなりません。
一般的には「健康保険被扶養者異動届」を提出することになります。

2今までの保険証が使えなくなります

扶養から外れる(被扶養者でなくなる)ということは、当然いままで使用していた保険証は使用できなくなります。

保険証はいつまで使える?
被扶養者扶養から外れる日(異動日)の前日まで使用できます。
それ以降は、保険証が手元にあったとしても使用できません。
ただちに会社へ返却が必要です。
もし扶養から外れたあとに保険証を使ってしまったらどうなる?
資格のなくなった保険証で病院等を受診した場合、無資格受診となります。
たとえ手元に旧保険証があっても、です。
新しい健康保険証が届いていなくても、旧保険証を使用してはいけません。
旧健康保険に、後日、旧健康保険組合が負担した医療費(7割分)を返還しなければなりません。
新保険証が届く前に病院に行きたいときはどうすれば良い?

一旦10割負担で支払いあとで返金してもらう
病院の受付窓口で、保険証の切り替え中でまだ手元にないということを伝えましょう。
多くの場合、手元に保険証がないときは かかった医療費を一旦10割負担で支払い、新健康保険への加入手続が完了して新保険証が届いたあとに精算(保険適用額分の返金)となります。月をまたぐ場合等は病院での返金ができず、新しく加入する健康保険組合等へ問合せて返金を受けることになる場合もあります。

「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらう
協会けんぽの場合は、健康保険被保険者証が交付されるまでの間に医療機関で受診する必要がある場合、事業主又は被保険者からの申請により 年金事務所の窓口で「健康保険被保険者資格証明書」を交付してもらえます。
まずは、新しく加入する手続きを行っている会社に相談してみると良いでしょう。
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