郵便切手類(切手、はがき、レターパック、スマートレター、ミニレター)の購入は、購入時においては原則非課税取引となります。
では、インボイス制度が開始となった今、会計処理に変化はあるのでしょうか?
この記事では、郵便切手類の消費税の仕組みとインボイス制度について解説しています。
目次
切手類の会計上の取扱い
郵便切手類の消費税の取り扱いは、購入時と使用時で異なります。
簡単に言うと、購入時は「非課税」、使用時は「課税対象」となります。
切手類の購入時
日本郵便株式会社等が行う郵便切手類、印紙の譲渡については、消費税が課されません。(消法6①、別表第一四イ)
CHECK!
切手は郵便局だけではなく、コンビニやインターネット、金券ショップなどでも購入できますよね。消費税法上、非課税となる郵便切手類の譲渡は、郵便局や指定の郵便切手類販売所で行われるものに限られます。
郵便局、コンビニで購入した切手類は非課税ですが、金券ショップやネットで購入した郵便切手は課税仕入れとなりますので注意してください。
切手類の使用時
郵便切手が貼付された郵便物や荷物をポストへ投函したり、料額印面の付いた郵便はがき、レターパック、スマートレター、ミニレター等を郵送する等して郵便サービスを利用するときは、課税取引(消費税が課される取引)に該当します。
CHECK!
切手類を購入したときは「非課税」、使用の都度「課税」で処理するのが正しい経理処理といえますが、とても面倒で実務的ではありません。そのため、郵便切手の使用を目的に継続して購入している場合は、購入時に課税仕入として処理することが認められています。
切手類のインボイス
切手類の消費税の取扱いについては先述した通りですが、インボイス制度においてはどのような取扱いになるのでしょうか?
結論から言うと、郵便切手類は特例に該当していて、インボイスの交付・保存義務が免除されています。よって、一定の事項が記載された帳簿の保存のみで消費税の仕入税額控除を受けることができます。
詳しく解説していきます。
郵便切手類を購入するとき
インボイス制度下においても、郵便切手類(切手、はがき、レターパック、スマートレター、ミニレター)の購入時は、原則非課税取引(消費税が課されない取引)に該当することは変わりません。
よって切手類の購入時に郵便局からは、消費税率および消費税額の記載がない領収書が発行されます。つまり、この領収証はインボイス(適格請求書)ではありません。
※適格請求書ではありませんが、法人税や所得税の計算上必要となることから、必ず保存しておく必要があります。
郵便局の窓口で郵送料を支払うとき
郵便局の窓口で郵便料金を支払って郵便物をだす場合は、インボイス(適格請求書)が発行されます。
窓口での郵便料金の支払いは、課税取引(消費税が課される取引)だからです。
切手が貼られた郵便物や、はがき、レターパック等の郵便ポストへの投函時
郵便切手が貼付された郵便物や荷物をポストへ投函したり、料額印面の付いた郵便はがき、レターパック、スマートレター、ミニレター等の郵便ポストへの投函は、課税取引(消費税が課される取引)に該当します。
しかし、ポストへ投函するタイミングでインボイス(適格請求書)を受け取ることは困難なので、一定の事項が記載された帳簿の保存のみで消費税の仕入税額控除の適用を受けることができます。
※「郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)」については、適格請求書の交付義務が特例で免除されています。
まとめ
郵便切手類の購入時に郵便局からインボイスは交付されません。購入の時点では、消費税非課税取引にあたるからです。
しかし、郵便ポストに投函(郵便サービスを利用)するタイミングでインボイスを交付するというのは現実的ではないので、切手類についてはインボイスの交付が特定で免除されています。
よって一定の事項が記載された帳簿の保存をすることで仕入税額控除を受けることができます。
会計の実務上、郵便切手の購入時に課税仕入として計上することは認められており、その場合でも一定の事項が記載された帳簿の保存により仕入税額控除を受けることができます。