EV・PHV充電の基礎知識~普通充電と急速充電の違い・CHAdeMO(チャデモ)とは

自動車のEV(電気自動車化)が進んでいます。環境のため日々新たな技術が開発されていますので、今後ますます普及していくのではないでしょうか。

この記事では、EV、PHV(PHEV)の充電のしくみや種類に関することをわかりやすくまとめていきます。

EV、PHV(PHEV)とは

EVとは電気自動車のことです。

  • バッテリーの電力だけでモーターを動かすのがEVと呼ばれる電気自動車です。
  • エンジンとモーターの2つの動力で走るHV(ハイブリッド車)の中でも、自宅や充電スタンドなどで充電できるHVがPHV・PHEV(プラグインハイブリッド)です。

外部から充電ができるのは「EV」「PHV(PHEV)」です。

※PHVとPHEVは、メーカーによって呼び方が異なるだけで、どちらもプラグインハイブリッド車のことです。

HV、EV、PHV、FCVなどアルファベットで略されて呼ばれることが多いので、何がなんだか、何がどう違うのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?

こちらの記事で詳しく解説しているのでご参照ください。

EV充電の基礎知識

充電口を見てみよう

EV・PHVの充電口を見てみると、挿し口が2つある車が多いと思います。

小さいほうが普通充電用、大きい方が急速充電用です。

EV充電口|普通充電と急速充電

 

電池容量が小さいPHVや小型EVの場合、充電口がひとつしかない(普通充電用の小さいほうしかない)車種がありますが、その場合は普通充電にしか対応していないということになります。

※海外製EVには例外もあります。

普通充電と急速充電の充電設備とは

電気自動車の充電の種類として、普通充電と急速充電の2つがあります。それぞれの充電設備や規格は下記のようになっています。

普通充電 急速充電 V2H
充電口・規格 コネクター CHAdeMO規格 CHAdeMO規格
充電設備 ・コンセント
・普通充電器
・急速充電器 ・V2H(充放電器)

普通充電

車に付属(またはオプション購入)の車載充電ケーブルを、車の充電口とコンセントにさしこんで充電します。

普通充電器を設置している場合は、ケーブルとコネクタがついているのでそれを車の充電口にさしこんで充電します。

急速充電

急速充電器に備えられているケーブルとコネクターを使って、車の充電口にさしこんで充電します。

急速充電口を備えたEV・PHVにのみ充電が可能です。(テスラなどの一部車種は、専用コネクターを使えば充電することができます。)

急速充電器の規格「CHAdeMO(チャデモ)」については後述します。

V2H

V2Hとは、車のバッテリーからお家などに電気を供給できる設備のことです。

充電と放電の両方ができるので、充放電器と呼ばれます。

V2HもCHAdeMO(チャデモ)規格なので、急速充電用の充電口を使います。

V2Hについて詳しくまとめた記事はこちらになります。

CHAdeMO(チャデモ)とは

CHAdeMO(チャデモ)とは、急速充電の規格(方式)のことで、日本の急速充電器はCHAdeMO(チャデモ)が主流です。

「CHArge de MOve = 動く、進むためのチャージ」「de = 電気」「充電中にお茶でも」の3つの意味が含まれています。

CHAdeMOは、日本が主導して規格化した世界基準のEV急速充電方式で、世界の主要メーカーがCHAdeMOに準拠した急速充電器などを製品化しています。

充電器に規格が設けられているのは急速充電器のみで、普通充電器にはありません。これは、EVが急速充電を行う際、急速充電器側と交信を行ってバッテリーの残量を確認した後で充電する仕組みになっているためです。この通信に必要な統一言語を定める必要があったことから、日本が世界に先駆けてCHAdeMOを規格化したのです。

世界では、CHAdeMO以外のEV急速充電の規格が複数あります。(CCS、GB/T、SCなどがあります。)

普通充電と急速充電の違い、メリット・デメリット

普通充電器は、急速充電器と比べると充電に時間がかかります。しかし、急速充電器よりも導入費用が少なく済みます。自宅や会社などの事務所、宿泊施設など、長時間駐車する場所での充電に適していると言えます。

一方急速充電器は、その名の通り短い時間で急速に充電することができるので、目的地までの移動途中や出先(目的地)などで充電したいときや、緊急充電に適していると言えます。

急速充電器は、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、道の駅や商業施設などにも設置されています。

普通充電では家庭などにも配線される交流電流を用いて、車載充電器で直流へ変換してからバッテリーへ充電します。

一方、急速充電器では、交流を充電器の中で直流へ変換して車へ送り、直接バッテリーに充電します。バッテリーや設備の保護のため、ずっとフル出力で充電できるわけではなく、充電率が上がれば電流が下がります。

これらの違いが、設備のサイズや価格に表れていると言えます。

急速充電設備ステーション

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